第11回から17回まで、基本英文700選にある as を使った英文を見てきました。僕が数えたところ、as を含む英文は74文あります。そのうち55文は、これまでの回で取り上げました。
最終回の今回は、まず1つの英文に戻ります。そのあと、まだ取り上げていなかった19文を、これまでの回の見方で読んでみます。
He is as strong as an ox.(彼は雄牛のように力強い)
金太郎と牛のイメージは、AIで作成したイラストになります。
1.ox(牛)のイメージ
「ox」 は、農作業や荷車を引くために育てられた、去勢された雄牛です。去勢されていない雄牛である「bull」に比べて、おとなしく、辛抱強く、力持ちで、働き者だとされています。金太郎のそばに立っていそうな、力は強いのに優しい牛、というのが僕のイメージです。
ただし、as strong as an ox が伝えているのは、「力が強い」ということだけです。おとなしさや優しさは、僕が覚えやすくするために足したイメージになります。
2.この1文の仕組み
天秤を思い浮かべてください。片方の皿に「彼」、もう片方の皿に「牛」が乗っています。釣り合っているのは、強さです。
He is as strong as an ox.
- 前の as:「同じくらいの(強さ)」と指し示します
- どれくらいの強さかは後ろの asで明らかになります
- 牛が持っている「同じような(強さ)」であると
齋藤秀三郎(著)『英和中辞典』は、後ろの as を関係代名詞のように説明しています。
He is as strong as an ox.
= He has the same strength which an ox has.
3.700選の as を含む英文を整理しました
| 回 | 取り上げた形 |
|---|---|
| 第11回 | as … as と so … that、not so … as、no … so … as、not so much A as B |
| 第12回 | as のコアイメージ「ほぼイコール」、原級、as if、時、比例 |
| 第13回 | 前置詞・理由・譲歩の as、as long as/so long as |
| 第14回 | as … as の仲間(as far as、so far as、as soon as)、such … as、the same … as |
| 第15回 | so ~ as to、so as to |
| 第16回 | as well as、may well、may as well、might as well |
| 第17回 | 関係代名詞の as |
「as」は、ブログの第11回から第17回にかけて取り上げました。この表を、今回のブログの「地図」として使いたいと思います。各回で見た形は「He is as strong as an ox.」という1つの英文からの広がりました。
※各回ごとの割り当ては、僕の視点から整理しました。
4.見分け方:前から読んで as を予想する
- as・so・such・the same に出会ったら、「何と同じようなのか?」と、後ろに as が出てくることを予想します。
- 後ろの as が出てきたら、as に続く部分で、何と同じようなのかを明らかになっているかを確認します。
5.まだ取り上げていなかった19文を地図で読む
今回取り上げる19文を「as」の日本語訳から「どの回の見方が使えるか」を考えてみました。
① 「できるだけ」の型(第14回に戻る)
53. 出来るだけ勉強して、浪費した時間を取り返すつもりです。
I will make up for the lost time by working as hard as I can.
- as hard:同じくらい一生懸命に
- as I can:私にできる(範囲)と同じくらい
- ⇒ できるだけ一生懸命に
540. 時勢に遅れないように、できるだけ多くの新聞を読んだ方がよい。
You had better read as many newspapers as you can so that you will not be left behind the times.
- as many newspapers:同じくらい多くの新聞
- as you can:あなたが読める(範囲)と同じくらい
- ⇒ できるだけ多くの新聞
493. 彼はできるだけの努力をしなかったというだけの理由で解雇された。
He was dismissed simply because he failed to work as hard as possible.
- as hard:同じくらい一生懸命に
- as possible:可能な(範囲)と同じくらい
- ⇒ できるだけ一生懸命に
- as I can の can が、possible に入れ替わっただけです。as soon as possible や as much as possible も、同じ読み方で覚えられます。
どれも、第14回の「as +形容詞・副詞+ as + S + V」と同じ型です。
② as long as +数量(第13回に戻る)
355. 彼はとても勤勉であるに違いない。毎日5時間も勉強している。
He must be very diligent. He studies as long as five hours every day.
- as long:同じくらい長く
- as five hours:5時間と同じ長さ
- ⇒ 5時間も
542. 時には2時間もバスが来るのを待つことがあった。
At times, I waited as long as two hours for the bus to come.
- 355と同じ仕組みです。
- 第13回の as long as I live(531)は、後ろが S + V でした。ここでは、後ろが数量になっています。
③ 倍数・分数(第11・12回に戻る)
as … as は、「1倍」が省略された形だと考えると、倍数の表現も覚えやすくなる、と聞いたことがあります。そこに倍率を掛けます。

- He is (1x) as strong as a horse.(馬と同じくらい強い)
- He is twice as strong as a horse.(馬の2倍強い)
- He is three times as strong as a horse.(馬の3倍強い)
- He is half as strong as a horse.(馬の半分の強さ)
1倍のときは、倍率を付けません。(1x) は、実際には言わないので、括弧に入れています。日本語でも、「馬と同じくらい強い」と言って、わざわざ「1倍強い」とは言いません。2倍以上のときだけ、倍率を付けます。
537. これらの発見のおかげで、人間の寿命が以前の2倍になった。
Thanks to these discoveries, man’s life span has become twice as long as before.
- as long as before:以前と同じくらい長い(1倍)
- twice:それを2倍にする
- ⇒ 以前の2倍の長さ
538. サンフランシスコの人口は、ニューヨークのわずか10分の1に過ぎない。
San Francisco is only one-tenth as populous as New York.
- as populous as New York:ニューヨークと同じくらい人口が多い(1倍)
- one-tenth:それを1/10にする
312. 彼が英語を話すのを聞くと、あの半分もうまく話せたらと思う。
When I hear him speak English, I wish I could speak even half as well as he does.
- as well as he does:彼が上手に話すのと同じくらい(1倍)
- half:それを1/2にする
- even half:半分でもいいから
much のコアイメージは「量」です。as much は「同じ量」と読みます。倍数の形でも、同じ仕組みです。
695. そうするとお金がその2倍かかるだろう。
It would cost twice as much as that.
- as much as that:それと同じ量(1倍)
- twice:それを2倍にする
- cost(かかる)のは、お金の「量」です。
- ⇒ それの2倍の量のお金がかかる
④ 劣らず(第12回に戻る)
539. この万年筆は私が今までに使ったどれにも劣らない。
This fountain pen is as good as any I have ever used.
- as good:同じくらい良い
- as any I have ever used:私が使ったどれとも同じくらい
- ⇒ どれにも劣らず
第12回の440(as talented as he is)と同じく、「劣らず」の形です。
⑤ 後ろの as の省略(第16回に戻る)
541. 東京は、まったくすばらしかったが、日本人が示してくれた歓迎ぶりもまたそれに劣らずすばらしかった。
Tokyo was really wonderful and the welcome the Japanese extended to us was just as wonderful.
- just as wonderful:まったく同じくらいすばらしい
- 「何と同じくらい?」という後ろの as 以下は、前の文(東京がすばらしかったこと)から分かるので、省略されています。
- 次の592の「as much(as that)」と同じ仕組みだと、僕は考えています。
592. その程度のことは百も承知だったから、私は少しも驚かなかった。
I was not in the least surprised, for I had fully expected as much.
- as much:同じ量(まったく同じくらいの内容)
- 「何と同じ量?」という後ろの as 以下(as that)は、前後の流れから分かるので、省略されています。
- ⇒ その程度のことは(予期していた)
⑥ 様態の as/as though(第12回に戻る)
166. 諺にもある通り、過ぎ去ったことはくよくよしても仕方がない。
It is no use crying over spilt milk, as the proverb says.
- as the proverb says:諺が言っているのと同じように
- says の後ろ(何と言っているか)が欠けていて、そこを as が受け持っています。第17回の見分け方も使えます。
311. 彼はその事件に関係がなかったようなふりをしている。
He pretends as though he had had nothing to do with the case.
- as though は、as if と同じです。
- 事件と関係がなかったと想像したのと同じように ⇒ ふりをする
- 第12回の as if(536・310・373)と同じ仲間です。
⑦ As … so …(第11回・第13回に戻る)
626. 動物に食物と飲物が大切なように、植物には雨と日光が大切である。
As food and drink are to animals, so are rain and sunshine to vegetables.
- As 以下:動物にとって食物と飲物がそうであるのと同じように
- so 以下:植物にとって雨と日光もそうなのだ
- これまでは、指し示す語(as・so)が先に来て、後ろの as が中身を明らかにしました。ここでは、順番が逆になっています。as 以下で先に基準を出し、so が「そのように」と受けています。
- 文頭の As に出会ったら、後ろに so が出てくるのを予想します。
⑧ 関係代名詞の as(第17回に戻る)
235. 若い人によくあることだが、彼も金銭に無とん着であった。
As is often the case with young people, he was indifferent to money.
- As の後ろの is に、主語がありません。欠けている要素は、主語です。
- その主語を、as が受け持っています。as は、「彼が金銭に無とん着であること」という、文全体の内容を受けています。
- He was indifferent to money, which/as is often the case with young people. と、後ろに置いても同じ意味になります。which と置き換えられるので、関係代名詞として働いていると分かります。as だけが、文頭に出せます。
- case は「実状」の意味で、as is the case with ~ で「~にはよくあることだが」です。
- ⇒ 若い人によくあることと同じように
⑨ as for・as to・as yet(後ろの as だけが残った形)
共通の見方:「後ろの as だけが残った形」と考えます。
- as for:話し相手の「あなた」と自分の「私」を、天秤の両側に並べて比べる形です(37番)
- as to:「as + to(向かう先)」と読みます。釣り合わせる相手がまだ特定できないので、後ろに wh 語(which route など)が続きます。
- as yet:「今(まだ)」と「これから(の可能性)」を天秤に乗せる形です。yet に、「この先はあり得る」という含みがあります。
37. よろしかったらピクニックに行っていいですよ。でも私としては、家にいて小説でも読む方がいいです。
You can go on a picnic if you like, but as for me I prefer to stay at home and read a novel.
- You(あなた)は、ピクニックに行ってよい。
- as for me:あなたの隣に、私を並べて比べる ⇒ 私としては
645. これまでのところ、探検隊がどのルートを取ったかについては、知らせがきていない。
So far we have had no news as to which route the expedition has taken.
- as to:向かう先(どれについてか)
- which route …:向かう先は、まだ特定できないので、wh 語が続く
- ⇒ どのルートを取ったかについては
450. 彼は私に本を2冊貸してくれたが、まだどちらも読んでいない。
He lent me two books, neither of which I have read as yet.
- as yet:「今(まだ)」と「これから(の可能性)」を天秤に乗せる
- yet に、「この先はあり得る」という含みがある
- ⇒ まだ読んでいない(これから読む可能性はある)
日本語から英語を思い出しましょう
今回取り上げた19個の英文を思い出してみましょう。
- 出来るだけ勉強して、浪費した時間を取り返すつもりです(53番)
- 時勢に遅れないように、できるだけ多くの新聞を読んだ方がよい(540番)
- 彼はできるだけの努力をしなかったというだけの理由で解雇された(493番)
- 彼はとても勤勉であるに違いない。毎日5時間も勉強している(355番)
- 時には2時間もバスが来るのを待つことがあった(542番)
- これらの発見のおかげで、人間の寿命が以前の2倍になった(537番)
- サンフランシスコの人口は、ニューヨークのわずか10分の1に過ぎない(538番)
- 彼が英語を話すのを聞くと、あの半分もうまく話せたらと思う(312番)
- そうするとお金がその2倍かかるだろう(695番)
- この万年筆は私が今までに使ったどれにも劣らない(539番)
- 東京は、まったくすばらしかったが、日本人が示してくれた歓迎ぶりもまたそれに劣らずすばらしかった(541番)
- その程度のことは百も承知だったから、私は少しも驚かなかった(592番)
- 諺にもある通り、過ぎ去ったことはくよくよしても仕方がない(166番)
- 彼はその事件に関係がなかったようなふりをしている(311番)
- 動物に食物と飲物が大切なように、植物には雨と日光が大切である(626番)
- 若い人によくあることだが、彼も金銭に無とん着であった(235番)
- よろしかったらピクニックに行っていいですよ。でも私としては、家にいて小説でも読む方がいいです(37番)
- これまでのところ、探検隊がどのルートを取ったかについては、知らせがきていない(645番)
- 彼は私に本を2冊貸してくれたが、まだどちらも読んでいない(450番)
6.これは、覚え方です
ここまで書いてきたのは、僕が基本英文700選の英文を覚えるための自分なりの解釈です。文法の厳密な説明や、語源の説明とは別のものになります。
- 「as … as は1倍が省略されている」という考え方は、聞いた覚え方です。
- 541の「後ろの as の省略」は、僕の考えです。
ただ、1つの英文に戻って確かめられると、迷ったときの拠り所になります。
7.700選の as の英文を、一緒に整理しませんか
as を含んでいる英文が覚えられない、読み方が自分の中で整理できていない、という方は、一度ご相談ください。あなたが引っかかっている英文を一緒に見て、この地図を手がかりにして読み解くことができると思います。どうぞよろしくお願いします。

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