原級:as … as は、so … that と同じだった?
苦手な英単語はありませんか?
僕の場合、英単語:as が出てくると、ちょっと緊張します。その使い方がよくわからないし、”as” のコアイメージがつかみきれていないからだと思います。
その英単語:as が、基本英文700選にはたくさん出てきます。僕なりに数えたところ、as を含む英文は、74文ありました。これは、700選の文章の10分の1を超えています。
伊藤和夫先生は、CD版『基本英文700選』の冒頭で「『基本英文700選』を支えているのは英語構造の分析と、その合理的かつ組織的な提示です」と語っています。(出典:CD版『基本英文700選』)CDその考えに沿って英単語:as も、基本英文700選のグループ分けで攻略できそうですが、なかなかできませんでした。
でも、どうにか理解したいので、自分なりに調べてみました。自分なりに出た結論のひとつが「原級:as … as は so … that と似た構造だ」というものです。そのように思ったのは、「齋藤秀三郎著・英和中辞典」で「as」を引き、次の説明を読んだときです。
齋藤秀三郎の辞書からのヒント
以下、引用します。
as [æz] 注意 — “He is as strong as an ox.” — 先の as と後の as は、同一の as にあらず。先の as は、指摘副詞とて指摘形容詞 “same” “such” “that” に類し、後の as は、関係副詞とて、関係代名詞 “which” “that” に類す。而して上例に換言すれば — “He has the same (degree of) strength which an ox has.” — となる。【asの品詞】第一指摘副詞、第二関係代名詞、第三接続詞、第四前置詞。
以上、引用でした。
この辞書によると、最初に出てくる「as」は、「それぐらい○○だ」と指摘する役割を持っていて、”same” や “such” と同じような働きをしているそうです。そして、最初に出てくる「それぐらい」が、具体的にどれくらいの程度であるかは、後から出てくる「as」で説明されるといいます。
先ほど引用した英文:He is as strong as an ox. の最後の単語を、僕が理解しやすい「a horse」に変えてみると、次のような英文になります。
He is as strong as a horse.
文字通りに訳すると、
He is as strong(彼はそれほど強い)
どれくらい強いのかというと
as a horse(馬と同じくらいだ)
He is as strong as a horse.
彼は馬と同じくらい強い
⇒「とても強い、激務に耐えられる」ということになります。
so … that との比較
次に、so … that を使った英文を見てみましょう。最初に出てくる so は、as … as の最初に出てくる as と同じく指摘副詞の仲間だと考えられます。
She was so kind that she helped us.
彼女はそれくらい親切だった。
(どれくらい親切だったかというと)
私たちを助けるくらい親切だった。
どれくらい親切であったかを、that 以下で具体的に説明しています。
どうでしょうか?
原級:as … as は、so … that と同じだと言うと言いすぎかもしれませんが、似た構造だとは言えると思います。
次の英文では、最初に「同じ〇〇だ」と表現し、どの程度同じかを、あとから出てくる”as”で表現しています。
474. あなたの姉さんが持っているのと同じ辞書が欲しい。
I want the same dictionary as your sister has.
I want the same dictionary(同じ辞書が欲しい)
(どの程度同じものかというと)
as your sister has(君の姉さんが持っているもの)と説明が続きます。
543. 私は妹と同じぐらいの年齢に見えると言われます。
People say I look about the same age as my sister.
People say I look about the same age(ほぼ同じ年齢に見える)
(どの程度同じ年齢かというと)
as my sister(自分の妹)との説明が続きます。
as … as の否定文:not so … as
ここで “as … as” を否定文にした場合の英文を見ていきたいと思います。
He is as strong as a horse.
この英文を否定文にするには、is の後ろに not を置き、He is not as strong as a horse. としても間違いではないのですが、”as … as” の場合、否定文になると、慣習的に最初の “as” が “so” に置き換わり、よく “not so … as” という形になるようです。 この “not so … as” という形を基本英文700選の文章で確認してみましょう。
545. 私はお金もないし友だちもありませんが、あなたが考えていらっしゃるほど不幸ではありません。
Though I have neither money nor friends, I am not so unhappy as you think.
どの程度アンハッピーではないかというと、後ろの as で「あなたが考えるほど」と、その程度が説明されています。
“as … as” の場合、否定文になると、最初の “as” が “so” に置き換わり “not so … as” という形になるのを、僕は次のようなゴロ合わせにして覚えています。
【納豆(not)?そう(so)じゃないの!アズキ(as)なの】
バカらしいフレーズかもしれませんが、「(so)じゃないの!」と気持ちを込めて声に出すと、記憶に残りやすくなると思います。
544. 英国の気候は日本ほど温和ではないが、夏は英国の方がずっと涼しい。
The climate of England is not so mild as that of Japan, but in summer it is much cooler.
not so mild(それほどマイルドではない)
(どの程度かというと)as that of Japan(日本の気候ほど)ということになります。
Nothing is so ~ as ~ / no ~ so ~ as ~
以上、”not so … as” の形式を見てきましたが、次に確認する英文は、まず “no” や “nothing” で「そのようなものは他にはない」と完全に否定します。そして「どのようなもの」かを、その後で出てくる “as” で説明する形式になります。結果として、最上級の意味を表現する英文形式になります。
Nothing is so sweet as love and dream.
Nothing is so sweet(そのように甘いものは他にはない)
(どのようなものかというと) as love and dream
⇒ 愛と夢ほど素晴らしいものはない
基本英文700選では次の例が出てきます。
546. 若い頃に受けた印象ほど鮮やかに心に残るものはない。
Nothing is left so vividly in our mind as the impressions we received in our younger days.
Nothing is left so vividly in our mind(我々の心にそのように鮮明に残るものは他にはない)
(どのようなものかというと)
as the impressions we received in our younger days
次の場合は、no を使い、まず「他にそのような時はない」と完全に否定します。そして、「どのような時」かを、その後で出てくる “as” で説明する形式になります。
198. 初秋のころほど,その平原が美しく見えるときはない。
At no time does the plain look so perfect as in early autumn.
At no time does the plain look so perfect(その平原がそのように完全に見えるときは他に全くない) (どのような時かというと)
as in early autumn(初秋の時ほど)ということになります。
次の英文では、”no” と “so” と “as” が出てきます。
547. 日本ほど本を読む人の多い国はないし、また日本ほど本の安い国もない。
There is no other country where books are read by so many people and can be bought so cheaply as in Japan.
no other country where books are read by so many people and can be bought so cheaply(本がそれほど多くの人に読まれ、そのように安く買える国は他にはない) (どの国かというと)
as in Japan(日本ほどには)ということになります。
not so much A as B
「AよりはむしろB」と訳される「not so much A as B」も、「as … as」の否定文の1種です。
「B程度ほどAではない」というのが元の意味なので、そこから「AよりはむしろB」という訳になる、と理解すると記憶しやすくなると思います。
「not so much A as B」は、(見た目や一般的なイメージの)Aというよりは、実際は(本質の)Bであることを伝えるときに使えます。
It’s not so much a cold as allergies. (風邪というよりはむしろアレルギーだと思う)
It’s not so much difficult as it is tedious. (難しいというよりはむしろ面倒くさいんだ)
基本英文700選から「not so much A as B」が使われている英文を紹介します。
142. 問題はその本質よりもむしろ外観である。
The question is not so much what it is as how it looks.
548. 成功とは、達成物ではなくむしろ、達成する行為のことだ。
Success is not so much achievement as achieving.
次の例は、否定語として “without” が使われている英文です。
549. 彼はさよならとも言わずに部屋を出て行った。
He left the room without so much as saying good-by to me.
日本語から英語を思い出しましょう
今回の記事には、基本英文700選の番号付きの文章が10文(474, 543, 545, 544, 546, 198, 547, 142, 548, 549)登場しました。あわせて、as の感覚をつかむための補足の例文もいくつか紹介しています。日本語を見て、英文を思い出してみましょう。番号のあるものが、新・基本英文700選内の文章です。
- (例文)彼は馬と同じくらい強い。⇒ とても強い、激務に耐えられる。
- 474番 (私は)あなたの姉さんが持っているのと同じ辞書が欲しい。
- 543番 私は妹と同じぐらいの年齢に見えると言われます。
- 545番 私はお金もないし友だちもありませんが、あなたが考えていらっしゃるほど不幸ではありません。
- 544番 英国の気候は日本ほど温和ではないが、夏は英国の方がずっと涼しい。
- (例文)愛と夢ほど素晴らしいものはない。
- 546番 若い頃に受けた印象ほど鮮やかに心に残るものはない。
- 198番 初秋のころほど,その平原が美しく見えるときはない。
- 547番 日本ほど本を読む人の多い国はないし、また日本ほど本の安い国もない。
- (例文)風邪というよりはむしろアレルギーだと思う。
- (例文)難しいというよりはむしろ面倒くさいんだ。
- 142番 問題はその本質よりもむしろ外観である。
- 548番 成功とは、達成物ではなくむしろ、達成する行為のことだ。
- 549番 彼はさよならとも言わずに部屋を出て行った。
思い出せなかった英文は、その構造を意識しながら声に出して読むと、記憶として定着しやすくなると思います。試してみてください。
もし、「新・基本英文700選」がお手元になければ、ぜひ手に入れてください。そして、英文をどのように解釈するのか、伊藤和夫先生の視点を想像されると、記憶に残りやすくなると思います。
今回は、原級表現に出てくる as を取り上げました。次回は、基本英文700選の10分の1以上を占める73文に顔を出しているasのコアイメージについて書く予定です。どうぞよろしくお願いします。


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