第17回:英単語:as の正体(その7)関係代名詞の as

基本英文700選を覚える

第11回で、A is as strong as B の後ろの as が、「どのように同じか」を説明している、と見ました。齋藤秀三郎著『英和中辞典』では、これを関係代名詞の働きとして、次のように説明しています。

He is as strong as an ox.(彼は雄牛のように力強い)
= He has the same strength which an ox has.(彼は雄牛と同じくらいの力を持っている)

前の as が「同じような(強さ)」と指し示し、後ろの as が、which と同じ働きで、「牛が持っているのと同じような」強さを明らかにしています。

基本英文700選の477番から483番は、この後ろの as が、関係代名詞の as として、まとめて紹介されている7文です。今回は、この「どのように同じかを説明する as」という見方で、読んでいきたいと思います。

関係代名詞の as も、文字どおりに「〜と同じように」と解釈することで、英文も理解できると思います。

見分け方:as に続く文で、欠けている要素を見る

後ろの as に続く文には、欠けている要素があります。その欠けている要素が、関係代名詞 as が担っている役割になります。

He has the same strength as an ox has.

文の最後の has の後ろの「強さ:strength」が欠けています。そのため、as は目的語として働いていると考えられます。

今回の7文は、ほとんどが、補語(どんな状態か、何と呼ばれるか)が欠けています。欠けているものを、as が受け持つ。そう考えると、理解しやすくなります。

1.「どんな状態か」が欠けているもの

477. 彼らは現状に満足している。
They are content with things as they are.

  • as の後の they は、things を指しています。
  • as they are:they(= things)are の後ろ(どんな状態か)が欠けている
  • そこを as が受け持つ:物事が「今そうであるのと同じように」⇒ ありのままの物事

482. お金があったら、そうしたいのです、ところが実はどうすることもできないのです。
If I were rich, I would do so. As it is, I can do nothing.

  • As の後の it は、現実の状況を指しています。
  • As it is:現実の状況が存在しているのと同じように ⇒ 現実には
  • 前の文は、仮定の話です。As it is で、現実の話に切り替わっています。

479. もし地球温暖化がこのまま進めば、われわれの知る今のような生活はできなくなるだろう。
If global warming continues at the current pace, life as we know it will end.

基本英文700選の脚注の説明を読むと、次のように解釈できます。

  • as の節の中に出てくる it は、life を指しています。
  • we know it [= life] to be so:私たちは、生活がそのようなものだと知っている
  • この to be so の部分(補語)を、as が受け持つ。
  • it は、know の目的語(= life)です。as が受け持つのは、補語であって、目的語ではありません。そのため、it は省略できません。
  • as we know it:私たちが知っているのと同じような状態の生活

as we know it と「it」が残っているのは、as が補語として働いているからです。

481. この家は今のままでは売れないだろう。
This house will not sell as it stands.

  • as の後の it は、this house を指しています。
  • stand には、「〜の状態にある」という意味があります。
  • it stands の後ろ(どんな状態か)が欠けていて、そこを as が受け持つ、と僕は読みました。
  • as it stands:現在の状態と同じように ⇒ 現状のままで

483. 彼はいわば、大きな赤ん坊だ。
He is, as it were, a grown-up baby.

  • as it were は、as if it were the case that he is a grown-up baby(彼が大きな赤ん坊だというのが、本当であるかのように)の形が、縮まったものだと考えると、分かりやすくなります。これは、自分で理解するために言い換えしました。
  • as の後の it は、that 以下の内容(彼が大きな赤ん坊であること)を受ける、形式主語の it です。
  • it were の後ろ(そうであるか)が欠けていて、そこを as が受け持つ:もし、そうだとしたら、その想定と同じような状態で ⇒ いわば
  • as it were は、決まり文句です。it は、he や they には替えられません。

2.「何と呼ばれるか」が欠けているもの

478. カリフォルニアには有名な大木、つまり、いわゆる森の王者がある。
In California are the famous big trees, or “forest kings” as they are called.

  • as の後の they は、the famous big trees を指しています。
  • as they are called:called の後ろ(何と呼ばれるか)が欠けている
  • そこを as が受け持つ:呼ばれているのと同じ名前で ⇒ いわゆる

(In California are … は、場所が先に出ています。いわゆる倒置になっています。「カリフォルニアには〜がある」と読みます。)

3.「どのように」を as が受け持つもの

最後の1文は、これまでの6文と少し違います。as の後ろに、欠けている要素はありません。it is が省略されているだけで、as は「〜と同じように」という様態(どのように)を表しています。

480. 文学は、最良の精神をもった者たちが行うような人間の営みを映し出す。
Literature reflects human activity as carried on by the best minds.

  • as の後ろで、it is が省略されています。it は、the view を指しています。480では、human activity を指しています。
  • as が受け持つのは、「どのように行われているか(見られているか)」です。
  • 最良の精神をもった者たちが行っているのと同じような姿の、人間の営み

as がない形(human activity carried on by the best minds)だと「人間の営みのうち、最良の精神をもった者たちが行うもの」と、どの営みかを絞り込みます。as がある形は、絞り込みません。「最良の精神をもった者たちが行っているのと同じような姿で」と、どんな姿かを示します。reflects(映し出す)は、鏡に映すことなので、「同じような姿で映す」と読める as が、よく合います。

脚注に、同じ使い方の例が紹介されています。

I like the view of Mt. Fuji as [it is] seen from Suruga Bay.(私は駿河湾から見た富士山の姿が好きだ)

今回のまとめ

今回取り上げた英文は7文でした。

  • 補語(どんな状態か)を as が受け持つ:477・482・479・481・483
  • 補語(何と呼ばれるか)を as が受け持つ:478
  • 「どのように」を as が受け持つ(it is が省略。欠けている要素はなし):480

7文とも、as を文字どおり「〜と同じように」と読んで、意味が通ります。

見分け方は、as に続く文で、欠けている要素を見ることです。その要素が、as が担っている役割です。480のように欠けているものがないときは、「〜と同じように」と様態を表す as として読みます。どの文も、「どのように同じか」を説明する as として解釈することで、英文が覚えやすくなると思います。ただし、これは、僕の覚え方になります。

日本語から英語を思い出しましょう

今回取り上げた7個の英文を思い出してみましょう。

  1. 彼らは現状に満足している(477番)
  2. お金があったら、そうしたいのです、ところが実はどうすることもできないのです(482番)
  3. もし地球温暖化がこのまま進めば、われわれの知る今のような生活はできなくなるだろう(479番)
  4. この家は今のままでは売れないだろう(481番)
  5. 彼はいわば、大きな赤ん坊だ(483番)
  6. カリフォルニアには有名な大木、つまり、いわゆる森の王者がある(478番)
  7. 文学は、最良の精神をもった者たちが行うような人間の営みを映し出す(480番)

思い出せなかった英文は、as を「〜と同じように」解釈することで、理解しやすくなり、記憶として定着しやすくなると思います。試してみてください。

もし、「新・基本英文700選」がお手元になければ、ぜひ手に入れてください。そして、英文をどのように解釈するのか、伊藤和夫先生の視点を想像されると、記憶に残りやすくなると思います。

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