中学1年生のとき、A is as tall as B の形で、as に出会いました。発音も難しくなく、原級の意味があることもすぐ覚えられました。「as って簡単だな」と思ったのですが、それがワナでした。
高校に入ると、as にはいろいろな用法と意味があることがわかってきます。ところが僕の頭の中には、最初に覚えた A is as tall as B の形と、原級の意味だけが残り続けました。「簡単」という印象は、いつの間にか「正体不明」に変わっていました。
今になって思えば、as には最初から「同じくらい」という訳語をあてて覚えれば良かったと思っています。

A is as tall as B を、「AはBと同じくらいの背の高さだ」とひとかたまりで覚えるのではなく、2つに分けます。
- as tall:同じくらい背が高い
- as B:Bと同じくらい
誰と同じくらいなのかは、後ろに出てくる as で明らかになります。前の as が「同じくらい」と指し示し、後ろの as がその中身を明らかにしています。
この見方は、齋藤秀三郎『英和中辞典』の「最初の as は指し示す役割があり、後の as が中身を明らかにする」という説明とも重なります。as を含む慣用句も、まず文字どおりに読んでみると、記憶に残りやすくなると思います。
(これは、僕自身が覚えるときの見方です。文法の定義ではなく、記憶のための道具として使っています。)
so+形容詞+as to+動詞(〜するほど…だ)
最初の so で「それくらい(形容詞)だ」と指し示し、「どれくらい?」の答えを、後ろの as 以下で明らかにします。
as to の to は不定詞ですが、もとは前置詞 to(〜へ向かう)の感覚だと思います。ここでは覚え方として、to は「向かう先」と考えます。形容詞の程度が、どこまで届くのかを示しています。
341. 大志を抱く少年が、学業を犠牲にしてスポーツにふけるような馬鹿なまねをするはずがない。
Ambitious boys cannot be so foolish as to indulge in sports at the expense of their school studies.
- so foolish:それくらい愚か
- どれくらい?:as 以下で明らかになります
- as to indulge in sports:スポーツにふけるのと同じくらい(ふけるところまで)
cannot があるので、この可能性が否定されます。「そこまで愚かなはずがない」という意味になります。
395. その極端に幅の広い袖は、地面に届くほど長かった。
The extremely wide sleeves were so long as to reach the ground.
- so long:それくらい長い
- どれくらい?:as 以下で明らかになります
- as to reach the ground:地面に届くところまで
395の so long を見て、第13回で取り上げた so long as を思い出した方もいると思います。仕組みは同じです。
ここでの long は、「長い距離」や「長い期間」から、「範囲」を表していると解釈できます。so long で「それくらいの範囲」と指し示し、どれくらいの範囲かを as 以下で明らかにします。
187. しっかりした判断力がありさえすれば、どんな種類の本を読もうと大した問題ではない。
It matters little what kind of books one reads, so long as one has sound judgment.
- so long:それくらいの範囲
- どれくらい?:as 以下で明らかになります
- as one has sound judgment:健全な判断力がある範囲と同じくらい
532. 食べすぎさえしなければ、何を食べてもよろしい。
You may eat anything so long as you don’t eat too much.
- so long:それくらいの範囲
- どれくらい?:as 以下で明らかになります
- as you don’t eat too much:食べ過ぎない範囲と同じくらい
so as to+動詞(〜するように)
so +形容詞+ as to から、形容詞がなくなった形です。形容詞がなくなっても、仕組みは同じです。
so は「そのように」と指し示し、as 以下がその中身を明らかにします。第12回で見た「〜のように」を表す as です。to は同じく「向かう先」で、ここでは目的を表します。
394. 今朝は一番列車に間に合うように4時に起きました。
This morning I got up at four so as to be in time for the first train.
- This morning I got up at four:今朝は4時に起きた
- so:そのように
- as to be in time for the first train:一番列車に間に合うように
次の文は、to の前に not が入った形です。「向かう先」を否定するので、「そこへ向かわないように」という意味になります。
12. 彼は他人の感情を害さないように振る舞った。
He behaved himself so as not to give offence to others.
- He behaved himself:きちんと振る舞った
- so:そのように
- as not to give offence to others:他人の感情を害さないように
英文は、まずは文字通り解釈することで、記憶しやすくなると思います。
日本語から英語を思い出しましょう
今回取り上げた6個の英文を思い出してみましょう。
- 大志を抱く少年が、学業を犠牲にしてスポーツにふけるような馬鹿なまねをするはずがない(341番)
- その極端に幅の広い袖は、地面に届くほど長かった(395番)
- しっかりした判断力がありさえすれば、どんな種類の本を読もうと大した問題ではない(187番)
- 食べすぎさえしなければ、何を食べてもよろしい(532番)
- 今朝は一番列車に間に合うように4時に起きました(394番)
- 彼は他人の感情を害さないように振る舞った(12番)
最初の as や so が指し示し、as to 以下が中身を明らかにする。この型さえ押さえておけば、初めて見る英文でも、同じ手順で読み解けると思います。
もし、「新・基本英文700選」がお手元になければ、ぜひ手に入れてください。そして、英文をどのように解釈するのか、伊藤和夫先生の視点を想像されると、記憶に残りやすくなると思います。
次回は、「as well as」など、well や much が入った慣用句を取り上げる予定です。どうぞよろしくお願いします。


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