父親との関係を文章にしたら 心穏やかになった話

父親との関係を見直す

「父親のことを考えると、なんとなく緊張する」「感謝しているはずなのに、ありがとうと言えない」——そんな感覚を抱えたことはありませんか?

以前の僕は、父との間に言葉にできない距離を感じていました。思い出すのは、厳しかった記憶、怖かった記憶ばかり。父がテレビの部屋に入ってくると、思わずテレビを消して自分の部屋に引っ込む。そんな子供でした。

500文字から始まった文章

心境が変わったきっかけは、父との関係を「文章に書き出す」ことでした。

最初に書いた文章は、500文字ほどの短いものでした。ところが、書いたものを何度も読み返しているうちに、不思議なことが起こりました。「そういえば、あんなこともあった」「あの時、父はこう言っていたな」と、忘れていた記憶が次々と蘇ってきたのです。無理に思い出そうとしたわけではありません。自分の文章に触れているうちに、ふっと思い浮かんでくるのです。

そのたびに一行、また一行と書き足していき、今では2万文字を超えました。

面白いのは、思い出して書き足すたびに、体がゆるみ、心が少しずつ軽くなっていくことです。胸の奥で固まっていた何かが、ほどけていくような感覚があります。

ラード焼きのトースト

書き足していく中で、ある光景を思い出しました。

父が、僕たち子供のために、フライパンを使い、食パンを焼いてくれたことがあります。きつね色のトーストを焼いてくれたのですが、食パンを焼くときに、バターではなく、豚の脂・ラードをつかっていました。その時、バターがなかったのかもしれません。あるいは、バターはあったけど、ラードの方が健康に良いと思ったのかもしれませんが、いずれにしろ、僕たち子供は、苦笑いするばかりで手が伸びませんでした。父は、そのラード焼きトーストを皿の上に何枚も重ね、ひとりで食べながら、黙って新聞を読んでいました。

子供の頃の僕にとっては、ただの「変わった父の行動」でした。でも文章にしてみると、見え方が変わりました。あの行動は、言葉で愛情を伝えるのが苦手な父なりの、精一杯の気遣いだったのではないかと思うようになりました。

今なら僕は、父の隣に座り、ホットコーヒーを一緒に飲みながら「父ちゃん、このラード焼きトースト、美味しいの?」と、笑いながら食べると思います。

書き出すことで距離が生まれる

頭の中で考えているだけだと、感情は同じところをぐるぐる回り続けます。でも、紙やパソコンに書き出すと、自分の気持ちを少し離れた場所から眺められるようになります。

僕の場合、怖かった記憶を書き出した後に、ラード焼きのトーストのような記憶がふっと出てきました。つらい記憶を先に言葉にしたからこそ、その奥にあったものが見えきたのだろうと思います。

「厳しさ」の記憶だけなのか?

父親との関係は、「良い」「悪い」で割り切れるものではありません。怖かった父と、不器用に子供を思っていた父は、同じひとりの人間です。

大切なのは、無理に良い話にまとめないことです。まずは自分の本音——怖かった、辛かった、寂しかった——を、そのまま言葉にして認めてあげる。その上で「父も頑張っていたんだな」という気持ちが芽生えてきたら、それを大切に育てていく。この順番が、心の穏やかさにつながっていきます。

何から書けばいいかわからない方へ

「書きたいけれど、何から手をつければいいかわからない」という方のために、記憶を引き出しやすくする問いをいくつかご紹介します。

・周りから見えていた父の姿と、人知れずしていた苦労には、どんなギャップがあったでしょうか?

・理不尽に怒られて傷ついた記憶があれば、その時は、どんな気持ちだったでしょうか?

・不器用ながらも「これは愛情だったかもしれない」と、今なら思える出来事はありますか?

・今、父の隣に座れるとしたら、どんな言葉をかけますか?

こうした問いに一行、あるいはひと言だけでも答えてみてください。そこから記憶が芋づる式に広がっていくことがあります。僕の最初の文章も、500文字でした。

一人で書くのが難しいと感じたら

書き始めてみると、手が止まることがあります。怖かった記憶に触れて、胸が苦しくなることもあります。何を書けばいいのか、分からなくなることもあるでしょう。

そんなときは、無理に一人で進めなくて大丈夫です。問いに答えながら、声に出して話していると、書こうとしても出てこなかった記憶が、ふっと言葉になることがあります。

ココナラでは、この「18の質問」をすべて公開したうえで、お電話で一緒にお話ししながら、父親への想いを整理するお手伝いをしています。

サービス内容と「18の質問」を見る(ココナラ)

「父親との関係について、少し話してみたい」——そのひと言だけで構いません。まずはココナラのメッセージから、気軽に声をかけてください。

もちろん、今日、問いのどれか一つに一行だけ答えてみるところから始めるのも大歓迎です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました