哲学者といえばカント、カント言えば散歩を連想します。カントは毎日、雨の日だろうが、雪の日だろうが、いつも決まった時刻に同じ道を散歩したそうです。
基本英文700選を読んでいると、東京大学で哲学を学んだ伊藤先生も、きっと散歩を日課にしていたに違いないと思います。散歩している伊藤先生がつぶやきそうな言葉が、基本英文700選にはたくさん載っています。そんな言葉を今回は紹介しようと思います。
カントは、雨の日だろうが、雪の日だろうが、毎日散歩していたといわれているので、カントは、こう言っていたのではないでしょうか?
・ 私は、雨の日だろうが、雪の日だろうが、毎日散歩します。
I take a walk every day even when it rains or snows.
本当なら、伊藤先生もカントのように、何があっても毎日散歩したかったと思いますが、大病を患ったこともあって、雨に当たり、風邪を引かないよう細心の注意をされていたので、雨の日には散歩されずに、それ以外の日に散歩されていたのではないでしょうか?
642. 私は雨の日以外は毎日散歩します。
I take a walk every day except when it rains.
雨の日以外、散歩されていた伊藤先生が、何を感じられていたのか、季節ごとに想像してみたいと思います。
まずは「春」です
春と言えば、桜ですね。関東地方では、3月の終わり頃から、桜の話題がで始めます。伊藤先生の職場でもそうだったのではないでしょうか?
467. 3月ももう末になって、桜の話題がよく出る時期になった。
We are now at the end of March, when the subject of cherry blossoms often comes up in our daily conversation.
年によっては、桜が咲くのが遅いときがあります。そんなときには、こんな言葉を口にされていたと思います。
570. 今年は桜の開花が例年よりも少し遅れている。
This year the cherry-blossoms are coming out a little later than usual.
例年よりも、桜の花が咲くのが少し早ければ、こう言っていたかもしれませんね。
This year the cherry-blossoms are coming out a little earlier than usual.
長年散歩をしていた伊藤先生の頭の中は、たくさんの天候と季節に関するデータが蓄積していったと思います。そして、ある程度データがたまると、次のような文章を自然に口に出されていたと想像します。
617. 桜の花の盛りのころには、曇りか風が強いかのどちらかになりがちである。
It is apt to get either cloudy or windy when the cherry blossoms are in full bloom.
季節は「夏」です
にわか雨・夕立は、日本では夏のイメージがあります。
286. 私はにわか雨にあって、ずぶぬれになった。
I was caught in a shower and was drenched to the skin.
カサを忘れた伊藤先生は、その日、ずぶ濡れになったかもしれませんね。日本では、にわか雨は、夏のイメージなので、夏のグループに入れてしまいましたが、もしかしたら、伊藤先生の頭の中には、次の英語の表現があったかもしれません。
April showers bring May flowers. (4月の雨が5月の花をもたらす)
想像を膨らませると、伊藤先生が、英国の4月のにわか雨にあったときのことを表現しているのかもしれません。
日本では、夕立は、夏の風物詩ですが、台風もそうですね。台風が近づいてくると聞いて、散歩が日課だった伊藤先生は空模様を確認されたとき、こう独り言を言ったのではないでしょうか?
284. この空模様では、おそらく明日の今ごろは台風が猛威をふるっているだろう。
From the look of the sky, the typhoon will probably be raging in all its fury about this time tomorrow.
台風が通過した翌日は、晴れる日も多いと思いますが、天気予報に反して1日中雨が降ることもあると思います。次の文章からは、散歩できると思った伊藤先生の悔しさを感じることが出来ます。
456. 今日は一日中雨で昨日の天気予報は大はずれだった。
It rained all day today, which was quite contrary to yesterday’s weather forecast.
季節は「秋」です
伊藤先生は「散歩にうってつけの日」が多い、秋が一番好きだったのではないでしょうか?
618. 昨日は暑くも寒くもなくて、散歩にはうってつけの日であった。
Yesterday it was neither too warm nor too cold. It was an ideal day for taking a walk.
秋も深まり、冷えてくると、木々の装いも変わってきます。
5. 朝晩だんだん冷えてきました。やがて木の葉も赤や黄に変ることでしょう。
It is getting colder and colder during the morning and evening. The leaves of the trees will soon turn red or yellow.
季節は「冬」です
冬と言えば「寒い」のが定番ですが、地球温暖化のせいか、最近では暖かい冬も珍しくありません。
536. 1月というのに春先のような暖かさだ。
Though it is now January, the weather is as warm as if it were early spring.
そのため、伊藤先生が、次のような感想も持っても不思議ではありませんね。
167. 毎年段々暖かくなっているように思われる。
It seems [appears] that it is getting warmer and warmer every year.
冬が暖かくなってきていると言っても、冬は冬だと思います。暖かい正月が迎えられると思っても、こんなこともあると思います。
581. 1月は暖いだろうと思っていたが、この冬は20年ぶりの寒さだそうだ。
We expected we would have a warm January, but we hear that this winter is the coldest in twenty years.
零度を下回ると寒いと思います。
697. 今朝は零下3度だった。
The thermometer stood at three degrees below zero this morning.
気温が零度を下回ると、水たまりに氷が張ります。その氷を見て、ひと言発します。
125. 気温が低いと水は氷になる。
Low temperatures turn water into ice.
伊藤先生は、童心に返り、その氷を足で割って、散歩に出発されたように思います。
そして、春になる前に一度ドカッと雪が降ることが多いように思います。
8. 昨年の今頃は大雪だった。
We had a lot of snow about this time last year.
巡る季節の中で
こうして一年を通して歩きながら、伊藤先生は、ふとこんなことを考えたのではないでしょうか?
302. 太陽の熱がなかったら、地上の生物はどうなるだろう。
But for the heat of the sun, what would become of the living things on earth?
基本英文700選を読んでいると、伊藤先生が、散歩中に思いつかれた文章が本当に多いと思います。
次回は、伊藤先生が散歩中に出会ったと思われる「景色」について、基本英文700選から文章を選んで、お話ししたいと思います。
日本語から英語を思い出しましょう
今回の記事に登場した16文です。日本語を見て、英文を思い出してみてください。新・基本英文700選内の番号も付記しました。
- 私は雨の日以外は毎日散歩します(642)
- 3月ももう末になって、桜の話題がよく出る時期になった(467)
- 今年は桜の開花が例年よりも少し遅れている(570)
- 桜の花の盛りのころには、曇りか風が強いかのどちらかになりがちである(617)
- 私はにわか雨にあって、ずぶぬれになった(286)
- この空模様では、おそらく明日の今ごろは台風が猛威をふるっているだろう(284)
- 今日は一日中雨で昨日の天気予報は大はずれだった(456)
- 昨日は暑くも寒くもなくて、散歩にはうってつけの日であった(618)
- 朝晩だんだん冷えてきました。やがて木の葉も赤や黄に変ることでしょう(5)
- 1月というのに春先のような暖かさだ(536)
- 毎年段々暖かくなっているように思われる(167)
- 1月は暖いだろうと思っていたが、この冬は20年ぶりの寒さだそうだ(581)
- 今朝は零下3度だった(697)
- 気温が低いと水は氷になる(125)
- 昨年の今頃は大雪だった(8)
- 太陽の熱がなかったら、地上の生物はどうなるだろう(302)
思い出せなかった英文は、エピソードに戻り、俳優になったつもりで、感情を込めたり、時にジェスチャーを交えて、英文を声に出して読むと、記憶として定着しやすくなると思います。試してみてください。
もし、「新・基本英文700選」がお手元になければ、ぜひ手に入れてください。そして、伊藤先生がどのような想いを込めて、一つ一つの単語や表現を選んだかを想像されると、記憶に残りやすくなると思います。
次回もどうぞよろしくお願いします。


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