シェイクスピア詩集 ソネット

音読でボケ防止

Text Source: This text is provided by Project Gutenberg (https://www.gutenberg.org). Shakespeare’s Sonnets by William Shakespeare [eBook #1041]

英文は、上記出典からコピーさせていただき、AI に助けてもらい、自分のための音読用テキストとして作成したものです。

目次

第1番  第2番  第3番  第4番  第5番  第6番  第7番


第1番:美を次世代へ繋ぐ調べ

シェイクスピアのソネット第1番は、美しいもの(花や人)がその美しさを後世に残すべきだと説く、壮大な序曲です。iambic(アイアムビック) pentameter(弱強五歩格)という心地よいリズムを意識して読みましょう。


【完全攻略】音読ガイド

シェイクスピアのソネットは、一行が10音節(弱・強が5回繰り返される「弱強五歩格」)で構成されています。この鼓動のようなリズムを意識しながら、全14行を丁寧に読み解いていきましょう。

1. リズムと区切り(フレーズ・ポーズ)

意味のまとまりと、詩のリズム(10音節)のバランスをとるためのポーズ(|)の位置です。

  1. From fairest creatures | we desire increase,(最も美しいものから、その繁栄を私たちは望む)
  2. That thereby | beauty’s rose might never die,(それによって、美のバラが決して絶えないように)
  3. But as the riper | should by time decease,(熟した者が、時の経過とともに世を去っても)
  4. His tender heir | might bear his memory:(その若き跡継ぎが、記憶を留めておけるように)
  5. But thou, | contracted to thine own bright eyes,(しかし君は、自分自身の輝く瞳に囚われ)
  6. Feed’st thy light’s flame | with self-substantial fuel,(自分自身を燃料にして、自らの光の炎を燃やし)
  7. Making a famine | where abundance lies,(豊かな実りがある場所に、飢餓をもたらしている)
  8. Thyself thy foe, | to thy sweet self too cruel:(自分自身を敵とし、愛すべき自分にあまりに残酷だ)
  9. Thou that art now | the world’s fresh ornament,(今の君は、この世の瑞々しい装飾であり)
  10. And only herald | to the gaudy spring,(華やかな春の、唯一の先触れ(使者)なのに)
  11. Within thine own bud | buriest thy content,(自分自身の蕾の中に、その中身を埋葬してしまい)
  12. And tender churl | mak’st waste in niggarding:(心優しいけちん坊として、出し惜しみして浪費している)
  13. Pity the world, | or else this glutton be,(世界を憐れめ、さもなくば、この大食漢(強欲者)であれ)
  14. To eat the world’s due, | by the grave and thee.(世界が受けるべき恩恵を、墓場と君とで食い尽くすために)

2. アクセント(強弱)と強調すべき言葉

弱強五歩格(da-DUM da-DUM…)の流れに乗りつつ、意味を強調する単語(太字)を強く、ゆっくり読みます。

  • 1-4行目:increase (繁栄), rose (バラ), die (死), memory (記憶)→ 冒頭の「美の永続性」をポジティブに強調します。
  • 5-8行目:thine own (君自身の), famine (飢餓), foe (敵), cruel (残酷な)→ 君が自分のことしか考えていない(自己愛)という批判的なトーンを強めます。
  • 9-12行目:ornament (装飾), spring (春), buriest (埋める), waste (浪費)→ 「春の美しさ」と「それを埋める愚かさ」を対比させます。
  • 13-14行目:Pity (憐れむ), glutton (大食漢), grave (墓)→ 最後の警告として、重々しく、言い聞かせるように読みます。

3. 古風な綴りと発音の注意点

シェイクスピア特有の表現を滑らかに発音するコツです。

  • thou / thy / thine / thee現代の you / your / yours / you です。「th」の音(舌を軽く噛む音)を丁寧に発音し、相手に直接語りかけている親密さを出します。
  • Feed’st / mak’st (6行目, 12行目)「フィーズツ」「メイクスツ」のように、最後の「st」は非常に短く、音節を増やさないように添えるだけでOKです。
  • buriest (11行目)通常は「ベリィ・エスト」と3音節になりますが、リズムを整えるために「ベリィスト (bury’st)」のように2音節気味に読むと、より詩のリズム(10音節)に馴染みます。
  • decease (3行目)現代ではあまり聞きませんが「die」の丁寧な表現です。第2音節を強調します。
  • niggarding (12行目)「ケチる」という意味。現代では別の言葉との混同を避けるためあまり使われませんが、ここでは「出し惜しみ」という軽蔑のニュアンスを込めて発音します。

4. 音読のアドバイス:ドラマチックな構成

この詩は「起・承・転・結」のようなドラマチックな構成になっています。

  1. 導入(1-4行目): 穏やかで理知的なトーン。
  2. 非難(5-8行目): 少しトーンを落とし、あるいは厳しく、「君は何をやっているんだ」という気持ちを込めます。
  3. 描写(9-12行目): 「今の君はこんなに美しいのに、もったいない!」という皮肉と称賛を混ぜます。
  4. 結論(13-14行目): 最後にグッとスピードを落とし、一語一語を噛みしめるように読み、余韻を残します。

アクセント表記ガイド

シェイクスピアの詩の最大の特徴である「弱強五歩格(iambic pentameter)」のリズムが視覚的にわかるように、弱い音節を小文字、強い音節を大文字で表記します。

このリズム(da-DUM, da-DUM, da-DUM, da-DUM, da-DUM)を意識して読むと、シェイクスピア特有の心地よい鼓動のような響きが生まれます。

  1. from FAIR-est CREA-tures WE de-SIRE in-CREASE,
  2. that THERE-by BEAU-ty’s ROSE might NE-ver DIE,
  3. but AS the RI-per SHOULD by TIME de-CEASE,
  4. his TEN-der HEIR might BEAR his MEM-o-RY:
  5. but THOU con-TRAC-ted TO thine OWN bright EYES,
  6. FEED’ST thy LIGHT’S flame WITH SELF-sub-STAN-tial FUEL,
  7. ma-KING a FAM-ine WHERE a-BUN-dance LIES,
  8. thy-SELF thy FOE, to THY sweet SELF too CRU-el:
  9. thou THAT art NOW the WORLD’S fresh OR-na-MENT,
  10. and ON-ly HER-ald TO the GAU-dy SPRING,
  11. wi-THIN thine OWN bud BUR-y’st THY con-TENT,
  12. and TEN-der CHURL mak’st WASTE in NIG-gar-DING:
  13. PI-ty the WORLD, or ELSE this GLUT-ton BE,
  14. to EAT the WORLD’S due, BY the GRAVE and THEE.

第2番:老いへの備えと美の継承

ソネット第2番は、40年後の老いを「包囲戦」や「塹壕(しわ)」に例え、若いうちに子を成すことで自らの美を後世に「投資」すべきだと説く、非常に力強く説得力のある詩です。

1. リズムと区切り(フレーズ・ポーズ)

意味のまとまりと、詩のリズム(10音節)のバランスをとるためのポーズ(|)の位置です

  1. When forty winters | shall besiege thy brow, (40回の冬が君の額を包囲し)
  2. And dig deep trenches | in thy beauty’s field, (君の美の畑(顔)に深い塹壕(しわ)を刻むとき)
  3. Thy youth’s proud livery | so gazed on now,(今これほど見つめられている君の若さの誇らしい装束も)
  4. Will be a tatter’d weed | of small worth held: (価値のない、ぼろぼろの衣となるだろう)
  5. Then being asked, | where all thy beauty lies, (その時、君の美しさはどこにあるのかと問われれば)
  6. Where all the treasure | of thy lusty days; (君の血気盛んな日々の宝はどこにあるのかと)
  7. To say, | within thine own deep sunken eyes,(自分自身の深く落ちくぼんだ瞳の中にある、と言うのは)
  8. Were an all-eating shame, | and thriftless praise. (すべてを食いつくす恥辱であり、無益な自賛でしかない)
  9. How much more praise | deserv’d thy beauty’s use, (もし君がこう答えられたなら、どれほど多くの称賛に値することか)
  10. If thou couldst answer | ‘This fair child of mine (「この私の美しい子供が」)
  11. Shall sum my count, | and make my old excuse,’ (「私の勘定を締めくくり、老いた私の申し開きをしてくれる」と)
  12. Proving his beauty | by succession thine! (継承によって、彼の美しさが君のものであると証明するのだ)
  13. This were to be new made | when thou art old, (これは君が老いた時に新しく作り直されることであり)
  14. And see thy blood warm | when thou feel’st it cold. (自分の血が冷たくなったと感じる時に、それが温かいのを見るということなのだ)

2. アクセント(強弱)と強調すべき言葉

弱強五歩格のリズムに乗りつつ、情景を浮き彫りにする単語(太字)を強調します

  • 1-4行目: forty winters (40回の冬), besiege (包囲する), trenches (塹壕), tatter’d weed (ぼろぼろの衣) → 老いを軍隊の攻撃や衣服の痛みに例える、厳しいイメージを強調します 。
  • 5-8行目: treasure (宝), sunken eyes (落ちくぼんだ目), shame (恥辱) → かつての輝きと、老いた後の虚しさの対比を際立たせます 。
  • 9-12行目: child (子供), succession (継承), thine (君のもの) → 「子供こそが解決策である」という希望に満ちたトーンへ転換します 。
  • 13-14行目: new made (新しく作られる), warm (温かい), cold (冷たい) → 最後の二行(カプレット)は、温もりと再生を感じさせるように読みます 。

3. 古風な綴りと発音の注意点

シェイクスピア特有の表現を滑らかに発音するコツです

  • tatter’d (4行目):「タタード」と読みます。eを省略して1音節(-d)にすることで、10音節のリズムを守っています。
  • thou / thy / thine / thee: 現代の you / your / yours / you です。「th」の音を丁寧に発音し、語りかけの調子を作ります 。
  • feel’st (14行目): 現代の feels に相当します。「フィールズツ」のように「st」を素早く添え、音節を増やさないように注意します 。
  • lusty (6行目):「血気盛んな、元気な」という意味です。現代の性的なニュアンスよりも「生命力に満ちた」というポジティブな響きを意識します。

4. 音読のアドバイス:ドラマチックな構成

この詩の展開を声のトーンで表現しましょう

  1. 導入(1-4行目): 厳しい冬の襲来を告げるような、重々しく警告するトーン 。
  2. 展開(5-8行目): 虚しさを問いかける、少し寂しげで皮肉混じりのトーン 。
  3. 転換(9-12行目): 解決策を提示する、明るく説得力のある力強いトーン 。
  4. 結論(13-14行目): 老いの中に見つけた「温かな血」を慈しむような、穏やかで深い満足感のあるトーン 。

5. シェイクスピア ソネット第2番:アクセント表記ガイド

弱い音節を小文字、強い音節を大文字で表記します

  1. when FOR-ty WIN-ters SHALL be-SIEGE thy BROW,
  2. and DIG deep TREN-ches IN thy BEAU-ty’s FIELD,
  3. thy YOUTH’S proud LI-ve-RY so GAZED on NOW,
  4. will BE a TAT-ter’d WEED of SMALL worth HELD:
  5. then BE-ing ASKED, where ALL thy BEAU-ty LIES,
  6. where ALL the TREA-sure OF thy LUS-ty DAYS;
  7. to SAY, wi-THIN thine OWN deep SUN-ken EYES,
  8. were AN all-EA-ting SHAME, and THRIFT-less PRAISE.
  9. how MUCH more PRAISE de-SERV’D thy BEAU-ty’S USE,
  10. if THOU couldst AN-swer ‘THIS fair CHILD of MINE
  11. shall SUM my COUNT, and MAKE my OLD ex-CUSE,’
  12. pro-VING his BEAU-ty BY suc-CES-sion THINE!
  13. this WERE to BE new MADE when THOU art OLD,
  14. and SEE thy BLOOD warm WHEN thou FEEL’ST it COLD.

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