宅建合格ストーリー[Gemini と共に歩む]の第3回です。
前回は「制限行為能力者(未成年など)」は、法律によって手厚く守られている「最強の存在」だという話をしました。
でも、ここでひとつ疑問が湧きませんか?
「守られる側の未成年があまりに強すぎると、取引相手は、怖くて何もできなくなるんじゃないの?」
今回は、そんな「取引相手からの逆襲(?)」とも言える権利、「催告権(さいこくけん)」と、嘘をついた未成年者への制裁「詐術(さじゅつ)」について掘り下げます。
「静的安全」と「動的安全」の戦い
本題に入る前に、Gemini から教わった「法哲学の視点」をシェアします。
民法には、常にせめぎ合っている2つの「守りたいもの」があるそうです。
- 静的安全(せいてきあんぜん):「元々の持ち主」や「弱者」の権利を守ること。
- 例:未成年者が勝手に売った土地を取り戻せる権利。
- 動的安全(どうてきあんぜん):「取引のスピード」や「相手方の信頼」を守ること。
- 例:買った人が「後から返せと言われない」安心感。
基本的には「未成年者(静的安全)」が勝つのですが、それだと相手方(動的安全)が可哀想すぎる感じがしますよね。
そこで登場するのが、今回のテーマである相手方を救うための武器です。
Q1. 「いつ取り消されるか分からない」恐怖への対抗策は?
僕: 未成年者との契約は「後から取り消せる」と聞きました。でも、相手方にしてみれば「いつキャンセルされるか分からない」状態で何年も待つのは地獄ですよね?
Gemini: その通りです。相手方は非常に不安定な立場に置かれます。 そこで相手方には「催告権(さいこくけん)」という武器が与えられています。
僕: 「催告権」さいこくけんですか? 漢字を見ると「催促(さいそく)」に似ていますが…。
Gemini: 良いところに気が付きましたね! 「催告」とは、漢字が表現しているとおり「回答するように催促して告げる」という意味です。 つまり「この契約を認めるのか、取り消すのか、1ヶ月以内にハッキリ返事をくれ!」 と相手に回答するように催促して告げる権利なんです。
僕: なるほど、「どっちなんだ!」と決断を迫るわけですね。もし、それを無視されたらどうなるんですか?
Gemini:ここが試験の頻出ポイントです!
相手方が「1ヶ月以内に返事をください」と通知したのに、無視(沈黙)された場合、「どういう扱いになるか」が決まっています。
| 誰に対して催告したか? | 無視(沈黙)の結果 | 理由 |
| 保護者(親など)に対して | 追認したものとみなす (=契約は有効になる) | プロ(親)が無視するなら、文句はないと判断して取引を確定させる(動的安全の保護) |
| 未成年者本人に対して | 無効(効果なし) ※そもそも催告してはいけない | 判断能力がない本人に「どうする?」と聞いても意味がないため |
※ただし、未成年者が大人になってから、本人に催告して無視された場合は「追認(有効)」になります。
僕:なるほど! 親が無視したら「OK(有効)」になっちゃうんですね。「返事をしないと勝手に契約が決まっちゃう」というのは、意外と怖いルールです。
Q2. 嘘をついて契約した未成年者も守られるのか?
僕: でも、もし未成年者が「僕は20歳です」と免許証を偽造して嘘をついていたらどうですか? それでも「子供だから」と言って契約を取り消せるなら、さすがにズルい気がします。
Gemini: 鋭いですね! そこで登場するのが、民法21条の「詐術(さじゅつ)」に関したルールになります。
結論から言うと、嘘をついた(詐術を用いた)未成年者は、保護されません。 つまり、契約を取り消すことができなくなります。
僕: おお、やはり! でも、未成年は、判断能力が未熟だから守られるはずですよね? 嘘をついたからといって、急に守られなくなるのは、ちょっと厳しくないですか?
Gemini: そこには、ある「法哲学」が隠されています。 「人を騙すような高度な嘘(詐術)をつく知恵があるなら、その子はもう『守られるべき弱者』ではない」と見なされるんです。
僕: あー、なるほど! 「大人を騙す能力があるなら、大人と同じ責任を取りなさい」ということですね。
Gemini: その通りです。これを法律の世界では「禁反言(きんはんげん)」の法理と言ったりします。
僕: きんはんげん? これも漢字で意味が分かりますね。 「反(反対の)言(こと)を言うのを、禁(禁ずる)」。 つまり、「言ってることとやってることが違うぞ!矛盾したことを言うな!」ということですね?
Gemini: 大正解です! 最初に「僕は大人だよ」という態度をとった(契約した)のに、後から「実は子供でした〜」と反対のことを言って取り消すのは、アンフェアだから許さない。 この「禁反言」の考え方があるから、嘘つきは守られないんです。
僕: スッキリしました。「能力があるなら責任を取れ」「矛盾した言い訳は許さない」ということですね。 ここでは「静的安全(未成年者の保護)」よりも、「動的安全(騙された相手の保護)」が勝つというのも納得です。
Gemini: そうです。ただし、単に「黙っていた」だけでは詐術にはなりません。 「積極的に嘘をついた」とか「身分証を偽造した」といった、相手を信じ込ませるようなワナを使った場合に限られます。
まとめ: 公平さの天秤
今回の話を整理すると、民法は次のようにバランスを取っています。
- 基本的には、未成年者(弱者)を手厚く守る。
- でも、相手方が不安定な時は「催告権」で決着をつけられるようにする。
- 未成年者が「詐術(嘘)」という悪知恵を働かせたときは、保護を打ち切る。
こうやって見ると、一方的にどちらかを勝たせるのではなく、「ズルいことは許さない」「相手の事情も考える」という公平なバランスの上に成り立っていることが分かります。
次回の予告
さて、ここまで「人(制限行為能力者)」に着目してきましたが、次回からは「契約の中身」に入ります。
もし、契約の時に「勘違い(錯誤)」をしていたら?
無理やり「脅迫」されてサインしていたら?
ドラマや映画でもよくあるトラブル、「意思表示(いしひょうじ)」の世界へ進みます!
P.S. 民法の「2人の主人公」が戦ったら? ~静的安全 vs 動的安全~
今回の学習で、Geminiと話していて面白かった「法哲学」の視点をもう一つシェアします。
民法には「守ってあげなきゃいけない2人の主人公」がいます。
- 制限行為能力者(弱者): 未成年者や認知症の方など。
- 善意無過失の第三者(信じた人): 何も知らずに取引に巻き込まれた人。
この2人は、「自分に落ち度がないのに損をしてはいけない」という点ではよく似ています。 しかし、民法が「なぜ守るのか?」という理由には、決定的な違いがあります。
守り方の違い
- 制限行為能力者を守るのは… 「静的安全」
- 「判断能力がない人は、そもそも契約の土俵に立てていない。だから、何があっても元の状態に戻してあげよう」という、本人の財産を守る考え方です。
- 善意の第三者を守るのは… 「動的安全」
- 「登記や契約書を信じて買った人がバカを見てはいけない。信じた人を守らないと、怖くて誰も買い物ができなくなる(経済が回らない)」という、取引の信頼を守る考え方です。
もし、この2人が戦ったら?
ここが試験に出る最重要ポイントです。 「未成年者が売った土地を、何も知らない第三者が買った」ような場合、どちらが勝つでしょうか?
答えは、「制限行為能力者(未成年)」の勝ちです。 第三者がどれだけ善意無過失(真っ白)であっても、土地を返さなければなりません。
民法の中には、実はこっそりと「強さランキング」が存在します。
- 【最強】 制限行為能力者 (理由:自分ではどうしようもないから)
- 【強い】 善意無過失の第三者 (理由:経済を回すため)
- 【普通】 一般の大人
「取引の安全(経済)」を犠牲にしてでも、「弱者」を最優先で守る。 これが民法の基本的なスタンスなんですね。
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