【問10】(契約不適合責任)は、あなたが掲げたスローガン「公正・フェアな取引を実現する」という視点が最も試される問題です。
不動産という高額な商品を売った後、後から「土壌汚染(キズ)」が見つかったとき、「いつまでも責任を負わされる売主」と「泣き寝入りする買主」、どちらを救うのがフェアなのでしょうか?「時間のバランス」と「プロ(業者)とアマ(個人)の格差」をどう埋めるかがテーマです。
それでは、自問自答形式で整理していきましょう。
まずは状況説明の文章です。
【問10】Aを売主、Bを買主とする甲土地の売買契約による甲土地の引渡し後に、目的物の品質に関して契約の内容に適合しない土壌汚染が見つかった場合の売主の担保の責任(以下この問において「契約不適合責任」という。)に基づく損害賠償に関する次の記述のうち、民法の規定、宅地建物取引業法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
(どうゆうこと?)売主Aさんから土地を買った買主Bさん。引き渡し後に「土壌汚染」が見つかりました。BさんはAさんに損害賠償を請求したいと考えています。
【問10】テーマ:契約不適合責任(時間の制限とプロの義務)
まずは、選択肢1番です。
1 Bは、甲土地の引渡しの日から11年が経過した時点で甲土地の土壌汚染を発見し、発見した時点から1年以内にAに通知した。Aが当該土壌汚染があることを重大な過失なく知らなかった場合、Aが宅地建物取引業者であるか否かにかかわらず、Bは損害賠償を請求することはできない。
(自問)引き渡しから11年も経ってから汚染が見つかった。Bは「見つけてから1年以内に通知したからセーフだ!」と言っているが、Aは「もう11年も前のことだぞ」と困惑している。Aがプロ(業者)かアマ(個人)かに関わらず、Aを救って(責任なしとして)いいのか?
■ 選択肢 1 の場合、Bさんは請求できないので「正解:〇」です
民法には「権利を行使できる時から10年」という消滅時効の壁があります。
もし、20年も30年も経ってから「汚染があったから責任取れ」と言える社会にしたら、売主は一生ビクビクして過ごさなければならず、社会全体としてアンフェアです。
10年という「時間の区切り」をつけることは、法的安定性を守るための公正なルールです。
では、選択肢2番です。
2 甲土地の引渡しの日から3年以内に契約不適合の通知をしなければ売主は契約不適合責任を負わない旨の特約があり、Bが引渡しの日から4年が経過した時点で土壌汚染を発見して直ちにAに通知した。Aが当該土壌汚染があることを重大な過失なく知らなかった場合、Aが宅地建物取引業者であるか否かにかかわらず、Bは損害賠償を請求することはできない。
(自問)契約で「3年以内に通知してね」と約束していた。Bは4年目に汚染を見つけた。「契約違反だ!」とAに詰め寄っている。Aがプロでもアマでも、この約束を守らせていいのか?
■ 選択肢 2 の場合、その約束は有効なので「正解:〇」です
- アマ(個人)同士なら: お互い合意した契約(3年)が優先されます。
- プロ(業者)が売主なら: 宅建業法で「最低でも引き渡しから2年」は責任を負えという厳しいルールがあります。今回の特約は「3年」です。これはプロの義務(2年)よりも買主に有利(フェア)な条件なので、特約は有効となります。有効な期限を過ぎた以上、請求できないのは当然です。
では、選択肢3番です。
3 甲土地の引渡しの日から1年以内に契約不適合の通知をしなければ売主は契約不適合責任を負わない旨の特約があり、Aは甲土地に土壌汚染があることを売買契約締結時点で知っていて告げていなかった。Bが引渡しの日から3年が経過した時点で当該土壌汚染を発見して直ちにAに通知した場合、Aが宅地建物取引業者であるか否かによって、Bが損害賠償を請求できるか否かの結論が異なる。
(自問)特約で「1年以内に通知してね」となっていた。しかし、売主Aは「最初から汚染があることを知っていて、黙っていた」悪意あるケースです。
Bが3年後に見つけて通知したとき、Aがプロかアマかによって、結論(責任を負うかどうか)が変わるのか?
■ 選択肢 3 の場合、プロかアマにかかわらず責任を負うため「不正解:×」です
この選択肢は、あなたのスローガンの核心に触れています
「知っていて黙っていた(嘘をついた)」人間を、法律は絶対に守りません。
プロであろうがアマであろうが、悪いことをした人は「1年以内に言わなかったお前が悪い」という言い訳(特約)を使えなくなります。
「結論が異なる」としているこの選択肢は、不誠実な者を許すことになるため、アンフェア(間違い)であり、誤りの選択肢となります。
最後4番目の選択肢です。
4 売主は契約不適合責任を一切負わない旨の特約があり、Bは引渡しの日から1年が経過した時点で土壌汚染を発見して直ちにAに通知した。Aが当該土壌汚染があることを重大な過失なく知らなかった場合、Aが宅地建物取引業者であるか否かによって、Bが損害賠償を請求できるか否かの結論が異なる。
(自問)「Aは一切責任を負いません(全部免責)」という特約があった。この特約は、Aがプロかアマかによって、結論(有効か無効か)が変わるのか?
■ 選択肢 4 の場合、プロかアマによって結論が変わるので「正解:〇」です。
- アマ(個人)が売主なら: お互いが納得したなら「一切責任なし」も有効です。でも、知っていて黙っていたらダメです。
- プロ(業者)が売主なら: 「一切責任を負わない」という特約は、宅建業法違反で絶対に許されません。プロは商品の品質に責任を持つべきだ、という「公正な取引」の考え方から、結論は明確に分かれます。
【 氣置くポイント】
【 プロの看板と、誠実さの天秤 】
- プロ(業者)が売主なら、「引き渡しから2年以上」の通知期間が絶対!
- ただし、「知ってて黙っていた(悪意)」なら、プロ・アマ問わず、期間を過ぎても絶対に逃げられない!
あなたの視点へのフィードバック
今回の選択肢3で「結論が異なる」が間違いだった理由は、法律が「個人の資格(プロか否か)」よりも「誠実さ(善意か悪意か)」を上位に置いているからです。
「公正・フェアな社会」とは、立場が強い者(プロ)を規制するだけでなく、「嘘をついた者」を例外なく罰する社会のことです。
この「誠実さこそが法律の王道」という感覚があれば、問10のような複雑な問題も、迷わず正解を選べるようになります。
以上、理解できたでしょうか? 過去問で確認しましょう。
目標:根拠を説明でき正解にたどり着く
【問 10】 Aを売主、Bを買主とする甲土地の売買契約による甲土地の引渡し後に、目的物の品質に関して契約の内容に適合しない土壌汚染が見つかった場合の売主の担保の責任(以下この問において「契約不適合責任」という。)に基づく損害賠償に関する次の記述のうち、民法の規定、宅地建物取引業法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1 Bは、甲土地の引渡しの日から11年が経過した時点で甲土地の土壌汚染を発見し、発見した時点から1年以内にAに通知した。Aが当該土壌汚染があることを重大な過失なく知らなかった場合、Aが宅地建物取引業者であるか否かにかかわらず、Bは損害賠償を請求することはできない。
2 甲土地の引渡しの日から3年以内に契約不適合の通知をしなければ売主は契約不適合責任を負わない旨の特約があり、Bが引渡しの日から4年が経過した時点で土壌汚染を発見して直ちにAに通知した。Aが当該土壌汚染があることを重大な過失なく知らなかった場合、Aが宅地建物取引業者であるか否かにかかわらず、Bは損害賠償を請求することはできない。
3 甲土地の引渡しの日から1年以内に契約不適合の通知をしなければ売主は契約不適合責任を負わない旨の特約があり、Aは甲土地に土壌汚染があることを売買契約締結時点で知っていて告げていなかった。Bが引渡しの日から3年が経過した時点で当該土壌汚染を発見して直ちにAに通知した場合、Aが宅地建物取引業者であるか否かによって、Bが損害賠償を請求できるか否かの結論が異なる。
4 売主は契約不適合責任を一切負わない旨の特約があり、Bは引渡しの日から1年が経過した時点で土壌汚染を発見して直ちにAに通知した。Aが当該土壌汚染があることを重大な過失なく知らなかった場合、Aが宅地建物取引業者であるか否かによって、Bが損害賠償を請求できるか否かの結論が異なる。
どうでしょうか? 根拠が説明でき、正解にたどり着くことができたでしょうか?
不明確な点に関しては、自問自答形式に戻り、確認して、根拠が言えるようにしましょう。
根拠が説明でき、正解にたどり着けたら、今回は、以上です。お疲れさまでした。
- このブログは、不動産適正取引推進機構で公開されている過去問を元に、自分の勉強用として、Gemini と共に作成した自問自答形式の資料です。
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