今回は、前回のブログに出てきた【ブライアン・ジョンソン】さんについての内容です。私たちは日々、仕事や勉強、プライベートに追われ、つい「睡眠」を削ってしまいがちです。しかし、世界で最も自らの身体を最適化している実業家の一人、ブライアン・ジョンソンさんは、睡眠を「その日の最も重要な仕事」と位置づけています。
今回は、彼の掲げる強烈なスローガン「DON’T DIE」の意味と、彼が「プロの睡眠者」として実践する驚異のルーティンを深掘りします。
1. 核心にある思想:DON’T DIE(死ぬな)
ブライアン・ジョンソンさんのSNSや活動をのぞくと、目に飛び込んでくる言葉があります。それが「DON’T DIE:死ぬな」です。これは単なる健康管理のスローガンではなく「生存戦略」です。
- 自己破壊的な選択への拒絶:夜更かしや不摂生(夜中のラーメン)など、無意識に自分を損なう「死へのプログラム」を停止せよという強い意志の表明です。
- 人類の存続:AIが急速に進化する時代において、人類が掲げるべき最もシンプルで普遍的な目標として、生存への執着を説いています。
彼にとって睡眠は、この「死なない(自分を損なわない)」ための最も強力な防衛手段なのです。
2. 夜の自分をクビして朝の自分を殺させない:”Don’t let Evening Brian kill Morning Brian.
ジョンソンさんの哲学を語る上で欠かせないのが、自分の中にいる「二人の自分」の対立です。彼はこの葛藤を非常に印象的な英語で表現しています。
“Don’t let Evening Brian kill Morning Brian.” (夜のブライアンに、朝のブライアンを殺させるな)
- Evening Brian(夜の自分):一日の終わりに疲れ果て、意志力が弱まり、ジャンクフードを食べたり夜更かしをしたりしたがる、衝動的で自己破壊的な自分です。
- Morning Brian(朝の自分):朝、最高の気分で目覚め、規律正しく目標に向かいたいと願っている自分です。しかし、夜の自分が下した「悪い選択」のせいで、朝の自分は体調不良や自己嫌悪という被害を被ってしまいます。
彼は、夜の自分には自分を管理する能力がないと判断し、こう宣言しました。
“I fired my Evening Self.” (私は「夜の自分」をクビにした)
夜8時半以降の意思決定権を自分から取り上げ、システム(ルーティン)に従うことで、朝の自分が望む「最高のコンディション」を守っているのです。
3. 「睡眠のプロ」が実践する5つの聖域
ジョンソン氏は、睡眠の「質」を極限まで高めるために、次のようなプロトコル(手順)を徹底しています。
① 非交渉の就寝時間(夜8時30分)
彼は毎晩8時30分には必ず就寝し、朝の自分を最高の状態で迎え入れます。これは「夜の自分をクビにする」ための最も重要なルールです。
② 消化を終わらせてから眠る(11時の最終食)
彼は午前11時にその日の最後の食事を終えます。寝るまでに十分な消化時間を設けることで、入眠時の安静時心拍数を下げ、深い眠り(N3)の質を最大化するためです。
③ 徹底した光のコントロール
就寝前の1〜2時間はブルーライトを完全に遮断し、専用の眼鏡やアプリを使用します。寝室は遮光カーテンで真っ暗にし、光による脳の覚醒を物理的に防ぎます。
④ テクノロジーによる温度管理
温度調節機能付きのマットレスを使用し、睡眠サイクルに合わせて温度を自動制御しています。深い眠りとレム睡眠、それぞれのフェーズに最適な温度をデータに基づいて設定しています。
⑤ データの可視化
毎日「Ouraリング」などのデバイスで睡眠スコアを計測し、自身のパフォーマンスを常にモニタリングしています。
4. 科学が裏付ける「睡眠と脳」の関係
ジョンソン氏のルーティンは、最新の睡眠科学とも深く合致しています。
- 記憶の転送:深い眠り(N3)は、海馬の中期記憶を長期記憶(大脳皮質)へ転送する、学びを定着させるための「黄金時間」です。
- 9時間睡眠の価値:標準的な時間より長い9時間を確保するのは、創造性や感情調整に不可欠なレム睡眠を十分に確保するためです。
結びに:私たちにできること
「夜の自分」を完全にクビにするのは、私たち一般人には難しいかもしれません。しかし、彼の「Don’t let Evening Brian kill Morning Brian」という考え方は、私たちの日常にも応用できます。
「今夜のほんの少しの我慢が、明日の自分への最高のプレゼントになる」
そんな風に考えて、寝る前のスマホを少し早く置いてみることから始めてみませんか?あなたの「朝の自分」は、きっとその選択を感謝してくれるはずです。
P.S. 英文の「Don’t Die」の意味は何でしょうか?形は命令文なので「死ぬな」となりますが、誰に対しての命令文なのでしょうか?
ブライアン・ジョンソンさんの掲げる「DON’T DIE」というスローガン、非常に強烈でインパクトがあります。彼の活動を追っていくと、この言葉には単なる命令文以上の、多層的な哲学が込められていることがわかります。
1. 言語的な解釈:命令か、宣言か
文法的には「死ぬな」という強い命令文の形をとっています。しかし、以下の3つのニュアンスが重なっていると考えられます。
- 自分自身への命令(自己律律): 「(不摂生や不注意によって)自分を死なせるような選択をするな」という、彼自身の徹底した管理システムへの誓いです。
- 全人類への呼びかけ: 「人類よ、死(滅亡)を受け入れるのではなく、抵抗しよう」という、文明レベルでの生存戦略としてのメッセージです。
- 「I Don’t Die」の精神: 文法は命令形ですが、実質的には「私は死なない道を選ぶ」という強い意志の表明(スローガン)と解釈することができます。
2. 哲学的な背景「死を許容する文化」への拒絶
ジョンソンさんにとって「DON’T DIE」は、プロジェクト「Blueprint:ブループリント」の核心にある「アルゴリズムによる生存」を象徴しています。
- 自己破壊的な行動の禁止: 彼は「夜中にピザを食べる」「睡眠不足で過ごす」といった健康を害する行為を、自分の中の「死に向かおうとするプログラム」と見なしています。そのようなプログラムを停止せよ、というのが「DON’T DIE」の本質です。
- AI時代における人類の唯一の目的: 彼は、AIが急速に進化する未来において、人類が掲げるべき最もシンプルで普遍的な目標は「死なないこと(存続すること)」であると主張しています。
- 「死」という不可避への挑戦: 従来、死は「いつか来る避けられないもの」として受容されてきました。彼はその受容を「死の文化:Death Culture」と呼び、データとテクノロジーでその運命を書き換えようとしています。
3. 「DON’T DIE」という新しい規律
ブライアン・ジョンソンさんはよく「夜のブライアン(夜食を食べたがる自分)に、朝のブライアンを殺させるな:Don’t let Evening Brian kill Morning Brian」といった言い方をします。
このスローガンは、単に生物学的な寿命を延ばすことだけを指しているのではなく、「今この瞬間の、自分を損なう選択」を徹底的に排除せよという、極めて現代的でデータに基づいた「戒律」のようなものだと捉えるのが、彼の意図に最も近いように思います。
余談: 彼はこの「DON’T DIE」と書かれたTシャツを販売したり、イベントを開いたりもしているようです。この言葉「DON’T DIE」を「合言葉」として、同じ志を持つコミュニティを作ろうとしているかもしれません。
ブライアン・ジョンソンさんのような行動をすべて真似るのは難しいですが、「自分を損なう選択をしない」という視点は、私たちの日常の健康管理にもヒントを与えてくれるものだと思います。


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