【問15】から、いよいよ階層構造の第2段階「法令上の制限」に突入します。 ここからは、あなたがこれまで学んできた「個人の自由」の世界から、「社会全体の調和」の世界へと視点が変わります。
- カテゴリー: 法令上の制限(問15~問22)
- 法律名: 都市計画法
この法律の「公正・フェア」の基準は、「『俺の土地だから何を建てても自由だ!』という個人のワガママを、みんなが住みやすい街にするために制限する」ことにあります。
誰もがバラバラに好きなものを建てたら、住宅街の真ん中に騒音のひどい工場ができたり、景観がめちゃくちゃになったりします。それを防ぐのが、都市計画法という「街のルールブック」です。
それでは、自問自答形式で整理していきましょう。
【問15】テーマ:都市計画法(街のルール・エリア分け)
【問 15】 都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
まずは、選択肢1番です。
1 風致地区は、都市の風致を維持するため定める地区であり、当該地区内における建築物の建築について、政令の定める基準に従い、地方公共団体の条例で、都市の風致を維持するため必要な規制をすることができる。
(どうゆうこと?)「風致地区(ふうちちく)」に指定された場所では、建物の色や形まで条例で厳しく制限されることがあるが、これは個人の自由を奪うアンフェアな規制ではないか?
■ 選択肢 1 は、公正・フェアな規制であるため、その記述は「正しい」
歴史的な並木道や美しい自然がある街において、一人だけが派手なビルを建てたら、その街の価値(資産価値や精神的価値)は一気に下がってしまいます。「みんなの共有財産である景観」を守るために、自治体が地域の特性に合わせてルールを作るのは、街全体の利益を守るための公正な制限です。
ちなみに「風致地区」を和英辞典で調べたら「an area of scenic beauty」と訳されていました。
では、選択肢2番です。
2 特定街区は、市街地の整備改善を図るため街区の整備又は造成が行われる地区について、その街区内における建築物の容積率並びに建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定める街区である。
(どうゆうこと?)「特定街区(とくていがいく)」では、普通のルールを超えて、容積率や高さの最高限度をガチガチに定める。これにより「超高層ビル」と「広い公開空地」を両立させ、都市を機能的にします。
■ 選択肢 2 の記述も「正しい」
街区(ブロック)単位で特別なルールを適用することで、ビルを高くする代わりに地上に広い公園を作らせるなど、都市の整備改善を図ります。
バラバラな高さのビルが並ぶよりも、機能的な街区を造ることで、利用者や近隣住民に公共の利益(メリット)を還元するのがこの制度の狙いです。
では、選択肢3番です。
3 近隣商業地域は、近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進するため定める地域である。
(どうゆうこと?)「近隣商業地域(きんりんしょうぎょうちいき)」というのは「住宅街の人たちが日用品を買うためのエリア」と理解して良いのか?
■ 選択肢 3 は、そのように理解して良いので、その記述は「正しい」
「商業地域」は繁華街ですが、頭に「近隣」がつくと「ご近所さんのための商店街」というニュアンスになります。住宅地のすぐそばで、お買い物ができる便利さを提供しつつ、あまりに大規模な騒音が出る施設などは制限する。この「利便性と居住環境の共存」こそが、用途地域のフェアなバランス感覚です。
では、最後の選択肢4番です。
4 生産緑地地区は、農業の利便の増進を図りつつ、これと調和した低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地区である。
(どうゆうこと?)「生産緑地地区(せいさんりょくちちく)」は、「農家を守りつつ、低層住宅の良好な住環境を保護するための地区である」との説明に間違いはないのか?
■ 選択肢 4 の記述は「田園住居地域」の説明であるため「間違い」⇒ これが答え
- 選択肢の説明文(農業と低層住宅の調和)は、「田園住居地域」のものです。
- 本当の「生産緑地地区」は、「市街化区域内の農地を、緑地として残すため」に定めるものです。
出題者は、わざと似たような「農業」に関連する言葉をすり替えて、あなたの知識を揺さぶってきました。法律の用語の定義を正しく理解しているかが問われています。
【氣置くポイント】
【街はパズルのようにできている】
- 用語の入れ替えに注意: 「農業」という言葉だけで判断せず、その目的が「住宅地を守る(田園住居)」のか「緑を残す(生産緑地)」のかを正確に見極める!
- 条例(ローカルルール)の力: 風致地区のように、国の基準だけでなく「地元のルール」で街を縛ることも、公正な街づくりには必要不可欠です。
- 用途地域の性格: 近隣商業なら「近所の買い物」、工業専用なら「住むのはダメ」など、メリハリをつけることがトラブル防止の鍵になります。
宅建士としての「公正な取引」の眼差し
「法令上の制限」を学ぶ際に大切なのは、「なぜ自分の土地なのに制限されるのか?」という理由をお客様に説明できることです。
「お客様がここに工場を建てられないのは、隣で静かに暮らしている人たちの権利を守るためなんです(公正)」と言えるようになると、重説(重要事項説明)に深みが出ます。
では、【問15】がきちんと理解できたか、確認しましょう。
目標:根拠を説明でき正解にたどり着くことです。
【問15】 都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 風致地区は、都市の風致を維持するため定める地区であり、当該地区内における建築物の建築について、政令の定める基準に従い、地方公共団体の条例で、都市の風致を維持するため必要な規制をすることができる。
2 特定街区は、市街地の整備改善を図るため街区の整備又は造成が行われる地区について、その街区内における建築物の容積率並びに建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定める街区である。
3 近隣商業地域は、近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進するため定める地域である。
4 生産緑地地区は、農業の利便の増進を図りつつ、これと調和した低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地区である。
どうでしょうか? 根拠が説明でき、正解にたどり着くことができたでしょうか?
不明確な点に関しては、自問自答形式に戻り、確認して、根拠が言えるようにしましょう。
根拠が説明でき、正解にたどり着けたら、今回は、以上です。お疲れさまでした。
- このブログは、不動産適正取引推進機構で公開されている過去問を元に、自分の勉強用として、Gemini と共に作成した自問自答形式の資料です。
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