【問8】「共有」ですね。「共有」とは「ひとつの物を共同で所有すること(共同所有)」の略語だと考えて良いでしょう。イメージとして、大きな1つのピザを、切らずにみんなで持っている状態を想像するとわかりやすいと思います。
この問題も、あなたのスローガンである「公正・フェアな社会・取引を実現する」という視点で見れば、誰を守るべきか、どう解決するのが筋か、一発で見抜くことができます。
この【問8】の選択肢の中には、「共同所有者(コウ・オーナー)としての絆」を無視した、非常にアンフェアな選択肢が含まれています。
それでは、自問自答形式で整理していきましょう。
【問8】テーマ:共有(保存・放棄・分割・不法占有)
■ リード文の状況
【問8】 A、B及びCがそれぞれ3分の1の持分の割合で甲土地を共有している場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、甲土地を分割しない旨の契約は存在しないものとする。
(どんな状況?)A、B、Cの3人が、3分の1ずつ土地を共有(共同所有)しています。
(追加情報の意味は?)「なお、甲土地を分割しない旨の契約は存在しないものとする。」
「~ない、が、~ない」二重否定なので「肯定」になると考え、「3人で土地を分割している」と考えてはいけません。
正しくは「まだ分割していないし、いつでも自由に分割(解散)できる状態である」と解釈しないといけません。
詳しく解説します。この文章は、以下のように分解するとスッキリします。
「分割しない旨の契約」とは?
これは「5年以内は、絶対に別れずに一緒に持っていようね!」という、自由を縛る約束(不分割特約)のことです。※民法では、最長5年までこの「別れちゃダメ契約」を結ぶことができます。
それが「存在しない」とは?
「そんな縛り(約束)はないよ」という意味です。
つまり、このリード文はこういう意味です。
「この3人は、まだ土地を1つ(共有)のまま持っています。そして、『別れちゃダメ』という約束もしていません。(だから、いつでも好きな時に喧嘩別れ(分割請求)していい状態ですよ)」
なぜこんなことが書いてあるの?
これは、選択肢3(裁判所に分割請求できるか?) を成立させるための「お膳立て」です。
もし「分割しない契約」があったら、選択肢3の「分割請求」ができなくなってしまいます。 出題者は、「変な裏読みをしないで、原則通り『いつでも別れられる(分割請求できる)』と考えて解いてね」というメッセージを送っていたのです。
【 氣置くポイント】
「分割しない契約(縛り)」が「ない」 = いつでも自由に別れられる!(フリーダム!)
この追加情報を見たら、「あ、今回は縛りなしの自由な関係なんだな」と思って読み進めればOKです! リード文をもう1度読んでみましょう。
【問8】 A、B及びCがそれぞれ3分の1の持分の割合で甲土地を共有している場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、甲土地を分割しない旨の契約は存在しないものとする。
1 甲土地につき無権利のDが、自己への虚偽の所有権移転登記をした場合には、Aは、単独で、Dに対し、その所有権移転登記の抹消を求めることができる。
(どうゆうこと?)部外者のDが、勝手に書類を偽造して「この土地は俺のものだ」と登記した。共有者の一人であるAさんは、他のBやCにお伺いを立てずに、たった1人でDに「登記を消せ」と文句が言えるのか?
■ 選択肢 1は、言えるので「正解:〇」です
虚偽の所有権移転登記をしたDは、犯罪者です。そんな悪党を排除するのは、共同所有者「B・C」にとっても「利益(メリット)」しかありません。
緊急事態に、いちいち「会議」を開いてハンコを集めるのは非効率です。「みんなのために、気づいた人が即座に悪を排除する」ことこそが、社会の正義(保存行為)です。
結論:単独で抹消を求めることができる。(正しい)
選択肢2番を見てみましょう。
2 Aが甲土地についての自己の持分を放棄した場合には、その持分は国庫に帰属する。
(どうゆうこと?)共同所有者の1人Aさんが、「もう持分はいらない(放棄する)」と言った。このとき、そのAの持分は、全く無関係な「国(国庫)」のものになってしまうのか?
■ 選択肢 2 そんなことはありません「不正解:×」です
共同所有者とは、運命共同体です。仲間の1人が抜けたら、その権利は、「残された仲間(BとC)」で分けるのが自然な筋です。
もしここで、見ず知らずの「国」がいきなり「今日から私も共同所有者です」と入ってきたら、BさんとCさんは、やりづらくて仕方ありませんよね?
「民間のことは民間で」仲間が放棄した分は、仲間に帰属します。※国が出てくるのは、相続人が誰もいない場合などの最終手段のときだけです。
結論:国庫ではなく、「他の共有者(B及びC)」に帰属する。
では、選択肢3番です。
3 Aが死亡し、E及びFが相続した場合には、B及びCは、Aの遺産についての遺産分割がされる前であっても、E及びFに対して共有物分割の訴えを提起することができる。
(どうゆうこと?)Aが亡くなり、遺族(EとF)が遺産争いをしていて、まだ誰がAの持分を継ぐか決まっていない。他の共同所有者(B・C)は、この遺族のケンカが終わるまで、「共有物を分割したい(縁を切りたい)」と言えず、何年も待たされなければならないのか?
■ 選択肢 3 共有物分割の訴えはできるので「正解:〇」です
遺族(EとF)が遺産争いをしていていた場合、そのケンカが終わるまで、待つ必要はありません。
遺族のケンカ(遺産分割)は、EとFの個人的な事情です。それに巻き込まれて、BとCのビジネス(土地活用)がストップするのはアンフェアです。
BとCは、「Aの地位を受け継いだE・Fチーム」全体を相手にして、「さっさと土地を分けてくれ」と訴えることができます。他人の家庭の事情に付き合う義理はありません。
結論:遺産分割前であっても、分割の訴えを提起できる。(正しい)
最後の選択肢4番です。
4 AがB及びCに無断で甲土地を占有している場合であっても、Bは、Aに対し、当然には
自己に甲土地を明け渡すように求めることができない。
(どうゆうこと?)Aが勝手に土地を独占して使っている。頭にきたBは、「俺に明け渡せ!」と言って、Aを力ずくで追い出すことができるか、できないのか?
■ 選択肢 4 できないので「正解:〇」になります
Aも「共同所有者(持分権者)」の1人です。Aには「土地全体を使う権利」があります。
もちろん、独占するのは悪いことですが、だからといって、Bもただの3分の1の権利者ですから、Bが「俺によこせ(明け渡せ)」と言う権利もありません。
お互い様なのに、Aの権利を完全に奪って追い出すのはアンフェア(権利の濫用)です。
※Bがやるべき公正な行動は、「独り占めしている分の家賃(不当利得)を払え」と請求することです。
結論:当然には明け渡しを求めることはできない。(正しい)
【 氣置くポイント】
【 仲間の絆】
共有者が放棄したら、それは「国」への寄付ではない!
残された「仲間(共同所有者)」へのプレゼントになる!
いかがでしょうか?
「国が出てくるなんて、おかしいだろ!」という「仲間の感覚(フェアネス)」を持っていれば、選択肢2の違和感に即座に気づくことができます。
法律用語で覚えるよりも、「人間関係の筋」で考えたほうが、記憶に残りますよね。
これで【問8】も完全攻略です!
以上、理解できたでしょうか? 過去問で確認しましょう。
目標:根拠を説明でき正解にたどり着く
【問 8】 A、B及びCがそれぞれ3分の1の持分の割合で甲土地を共有している場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、甲土地を分割しない旨の契約は存在しないものとする。
1 甲土地につき無権利のDが、自己への虚偽の所有権移転登記をした場合には、Aは、単独で、Dに対し、その所有権移転登記の抹消を求めることができる。
2 Aが甲土地についての自己の持分を放棄した場合には、その持分は国庫に帰属する。
3 Aが死亡し、E及びFが相続した場合には、B及びCは、Aの遺産についての遺産分割がされる前であっても、E及びFに対して共有物分割の訴えを提起することができる。
4 AがB及びCに無断で甲土地を占有している場合であっても、Bは、Aに対し、当然には自己に甲土地を明け渡すように求めることができない。
どうでしょうか? 根拠が説明でき、正解にたどり着くことができたでしょうか?
不明確な点に関しては、自問自答形式に戻り、確認して、根拠が言えるようにしましょう。
根拠が説明でき、正解にたどり着けたら、今回は、終了です。
お疲れさまでした。
- このブログは、不動産適正取引推進機構で公開されている過去問を元に、自分の勉強用として、Gemini と共に作成した自問自答形式の資料です。
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