R7年【問34】この人に免許をあげていい?「信頼の履歴書」をチェックする物語

宅建試験でボケ防止

令和7年宅建試験【問34】について、これまでの形式に則り、ブログにそのまま掲載できる「ストーリー的解釈」の解説を作成しました。

今回のテーマは「免許の欠格事由(免許をもらえない人たち)」です。


宅建業を営むには「免許」が必要です。しかし、誰にでも免許をあげるわけにはいきません。

今回の【問34】は、**「過去に問題があった人(またはその周りの人)を、どこまで許していいのか?」**という、業法における「信頼の基準」を問う物語です。

1. この問題のテーマ:「プロとしての適格性」の物語

不動産という高額な商品を扱う以上、業者はクリーンである必要があります。本人の罪はもちろん、会社を実質的に動かす「役員」や「重要な使用人(店長など)」、さらには「未成年者の親(法定代理人)」まで、その信頼性が厳しくチェックされます。

まずは、問題を確認しましょう。

【問34】 宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。


2. 各選択肢のストーリー解説

まずは選択肢「ア」です。

ア A社の政令で定める使用人Bは、刑法第 234条(威力業務妨害)の罪により、懲役 2年、執行猶予 2年の刑に処せられた後、A社を退任し、新たにC社の政令で定める使用人に就任した。Bの執行猶予期間が満了していない場合に、C社が免許を申請しても、免許を受けることができない。

ア:刑務所行き(または執行猶予中)の人がいる会社(執行猶予の物語)

【内容】 懲役刑(執行猶予中)の元店長Bが、別の会社Cの店長になった。C社は免許を受けられるか?

  • ストーリー的解釈:「懲役刑」というのは、どんな罪であれ、社会的に非常に重いペナルティです。たとえ「刑務所に行かなくていいよ(執行猶予)」と言われていても、その期間中はまだ「更生中」の身。そんな人が会社の中枢(店長など)にいる会社に、国が「安心な業者です」と太鼓判(免許)を押すわけにはいきません。
  • 結論:正しい(〇)禁錮刑以上(懲役など)を受けた場合、執行猶予期間が満了するまでは免許を受けられません。これは本人だけでなく、その人が役員や政令使用人として在籍する会社も同様です。

次の選択肢「イ」です。

イ D社は、不正の手段により免許を取得したことによる免許の取消処分に係る聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分がなされるまでの間に、宅地建物取引業法第 11 条の規定による廃業の届出をした。その廃業に相当の理由がなかった場合、当該公示の日の 40 日前にD社の取締役を退任したEは、当該届出から 5 年経過しなければ、免許を申請しても免許を受けることができない。

イ:悪事がバレそうになって逃げ出した役員(逃げ得は許さない物語)

【内容】 悪事で免許取消になりそうな会社Dが、処分前に廃業。その40日前に辞めた役員Eは5年間アウトか?

  • ストーリー的解釈:「どうせ免許取消になるなら、その前に自分から会社を畳んで(廃業)、リセットしちゃえ!」という悪巧みを防ぐルールがあります。この場合、処分の通知が来る直前(60日以内)にいた役員も連帯責任を負います。40日前に辞めた役員Eさんは、「泥舟が沈む直前に逃げ出した人」とみなされ、5年間は業界から追放されます。
  • 結論:正しい(〇)免許取消処分の聴聞公示日前60日以内に役員だった者は、会社が廃業届を出してから5年間、免許を受けることができません。「逃げ得」は通用しないのです。

次は選択肢「ウ」です。

ウ 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であるFの法定代理人であるGが、刑法第 206 条(現場助勢)の罪により罰金の刑に処せられていた場合、その刑の執行が終わった日から 5 年を経過していなくても、Fは免許を申請すれば免許を受けることができる。

ウ:親の罪は子の責任?(法定代理人の物語)

【内容】 未成年の子Fの親(法定代理人)Gが、暴力的な罪で罰金刑。Fは免許をもらえるか?

  • ストーリー的解釈:まだ一人前ではない未成年者が免許を申請する場合、審査されるのは本人ではなく、実質的に判断を下す「親(法定代理人)」です。親が「現場助勢(ケンカの助太刀)」などの暴力的な罪で罰金刑を受けているなら、そんな親に指導される未成年者に免許をあげるのは危なっかしい、と判断されます。
  • 結論:誤り(×)暴力的な罪(傷害、暴行、現場助勢など)で罰金刑を受けた場合、法定代理人も欠格事由に該当します。したがって、親Gの刑が終わってから5年経つまでは、子Fは免許を受けられません。

最後の選択肢「エ」です。

エ H社の政令で定める使用人Jは、裁判所へJ自身の破産申し立てを行った後、H社を退任し、裁判所から破産手続の開始決定を受けるまでの間に、新たにK社の政令で定める使用人に就任した。その後、Jが復権を得た場合、その日から 5 年を経過しなくても、K社が免許を申請すれば、免許を受けることができる。

エ:自己破産からの再起(再スタートの物語)

【内容】 自己破産を申し立てた店長J。その後「復権」を得た場合、5年待たずに免許を受けられるか?

  • ストーリー的解釈:「破産者」は、お金の管理がしっかりできない可能性があるため、免許はもらえません。しかし、犯罪(刑罰)と違うのは、破産はあくまで経済的なつまずきだということです。裁判所から「もう一度やり直していいですよ(復権)」と認められたら、その瞬間にマイナスはゼロに戻ります。刑罰のように「終わってからさらに5年待て」というペナルティはありません。
  • 結論:正しい(〇)破産者は、復権を得れば直ちに欠格事由から外れます。5年待つ必要はありません。Jさんが復権しているなら、K社は免許を受けられます。

3. まとめ:正しいものはいくつ?

整理すると、以下の通りです。

  • ア:正しい(執行猶予中はアウト)
  • イ:正しい(60日以内の役員は連帯責任)
  • ウ:誤り(親が罰金刑なら子も5年アウト)
  • エ:正しい(復権したら即セーフ)

正しい記述は、ア・イ・エの3つです。

正解:3(三つ)


学習のアドバイス:「5年」が必要なのはどんな時?

欠格事由を覚えるコツは、「5年待機」のルールを整理することです。

  1. 5年待つ必要があるもの:重い罪(禁錮・懲役)や、特定の罰金刑(暴力系)、不正による免許取消。
  2. 即座にOKになるもの:執行猶予が満了した時、破産者が復権した時。

特に「破産」と「刑罰」の違いは試験でよく狙われます。今回のエの選択肢のように、「復権=即復活」というストーリーで覚えておきましょう!

では、もう一度問題を確認しましょう。

【問34】 宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア A社の政令で定める使用人Bは、刑法第 234 条(威力業務妨害)の罪により、懲役 2 年、執行猶予 2 年の刑に処せられた後、A社を退任し、新たにC社の政令で定める使用人に就任した。Bの執行猶予期間が満了していない場合に、C社が免許を申請しても、免許を受けることができない。
イ D社は、不正の手段により免許を取得したことによる免許の取消処分に係る聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分がなされるまでの間に、宅地建物取引業法第 11 条の規定による廃業の届出をした。その廃業に相当の理由がなかった場合、当該公示の日の 40 日前にD社の取締役を退任したEは、当該届出から 5 年経過しなければ、免許を申請しても免許を受けることができない。
ウ 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であるFの法定代理人であるGが、刑法第 206 条(現場助勢)の罪により罰金の刑に処せられていた場合、その刑の執行が終わった日から 5 年を経過していなくても、Fは免許を申請すれば免許を受けることができる。
エ H社の政令で定める使用人Jは、裁判所へJ自身の破産申し立てを行った後、H社を退任し、裁判所から破産手続の開始決定を受けるまでの間に、新たにK社の政令で定める使用人に就任した。その後、Jが復権を得た場合、その日から 5 年を経過しなくても、K社が免許を申請すれば、免許を受けることができる。
1  一つ
2  二つ
3  三つ
4  四つ

どうでしょうか?

根拠を説明した上で、正解にたどり着けたら、OKです。

お疲れさまでした。

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